任侠の世界や政治の世界は、たった一言、たった一つの行動で全てを失うと聞く。物凄い緊張感のある世界だ。
そして、世の常識が通用しないようなイメージがある。しかし、どちらの世界も渡り歩くには、実は堅気の世界でも通用する常識が大事であることをこの本は教えてくれる。その表れ方が極端なだけで。
堅気の世界の人間は、酷い悪意に晒されて生きることは滅多になく、多少ヘタを打ってもそれで沈むことはそんなにない。しかし、出世する人や、人を動かせる人はやはりその社会の法則にキッチリと従っている。その点では、堅気の世界もヤクザや政治の世界も同じである。
本書は、そのような身の処し方のハウツー本として読めるだけでなく、ほかに二つの読み方が可能だ。一つは先日下獄した司忍・山口組組長と小泉純一郎首相の人物評。もう一つは彼らの属する世界のダイナミズムとその法則。
どこに行っても日本社会は日本社会なのである。