これ読んでたの中学くらいだった気がする。
コバルト系で出発してあっという間に他社に飛翔してしまった作家さんでしたよね?
未完が惜しくて覚えていたので、新装版を購入。
いや、理由は正確には違う。
続きがどうしても読みたくて、でもこのレーベル、売れないと容赦なく続巻予定なんぞ忘れるから・・・
続きを読みたかったら買うしかない!(笑)
今度こそ完結してくれるといいなあ・・・
冒頭の回想風味が改訂部分な気がするが、文庫版が手元にないのでわからない。
10数年ぶりに読み返してみたところ、やはり汚れた兇王子が汚れた聖女により覚醒するというのは無理があったかなと。
最後の大逆転の意外性だけがインパクトで。
あとはチェーザレボルジア周辺のエピソードをアレンジしてあるのが当時は新鮮だった。
話自体はイタリア半島もどきをモチーフにしたよくある異世界伝奇ストーリー。
あやしい宗教団体「家族」が6人の子供の額に前時代のパワーストーンみたいなものを埋め込んで洗脳し、それぞれ異なった特殊能力を発現させ、彼らを操ってこの世を破滅に導こうとする。
その各自の特殊能力は各巻で一人ずつ明らかになっていくことになる。
主人公ギヴァは死体の燐酸を操ることで死者を操ることができるんだけど、この能力の特性としての限界性と、パワーストーンとの同調率が6人中最弱ということで、6人が殺しあうとしたら真っ先に淘汰されると見られていた・・・
そして洗脳も完璧ではなくて、案の定、薄幸の美女に惑って「家族」を裏切り、ほかの5人に命を狙われる羽目になる。
最終的にはおそらく彼が生き残るんだろうけど、かなりの頭脳戦に相当なご都合主義的偶然を駆使しないとその結果は得られないだろうな〜
今回のお相手兇王子、自分の血液から自在に疫病を作り出すヴァイサルとの戦いも、物語上の猶予というべき引き延ばしが何回もあって、それがなかったら戦いすら挑めなかったと思う(空気感染で即死でしょ)。
いうなれば小説家の腕の見せ所というわけで、楽しみ。
六人の兇王子はそれぞれ趣きの違う超絶美形(一部例外あり)なので、そういうの好きな方はますます楽しめると思う。
愛を知らないヴァイサルとイエルマの、愛なのか情なのか、なんとも曖昧な関係も、私は好きだった。
文庫版のイラストもよかっけど、今回もこれはこれでいい。
個人的には、もしこれでこの作家さんを知る方がいらっしゃったら、デビュー作「シインの毒」もぜひご一読頂きたい。
あれは本当に秀逸な「毒」の使い方で今でも忘れられないし、「弱者がちょっとした発想の転換で強者を圧倒する」という展開はあれ以来ずっと作者の十八番だと思うので。
それでは続巻を祈って!