本書は行政法演習書としては最高峰であろう。
ただ、いかんせん、内容が難しすぎる。
実務的要素も強調されていることから、そのあたりを説明できない学者もいるであろう。
※現に、行政法ベストセラー本の著者もそのように述べている。
よって、自習教材として用いるには、効率が悪いように思える。
そして、新司法試験の対策のみを考えるならば、そのレベルを超えていると考えられる。
ただ、内容としては奥深い。短所は上記のとおりなので、長所を述べる
'@新司に習ったヒアリング形式の問題
先輩弁護士と新人弁護士の会話といった、新司のヒアリング形式の資料がついている問題もある。しかも、それが「学生が混同しがちな思考過程」を書いてくれることで、正しい道へと誘導される内容となっている。
'A択一対策
論文形式ではあるものの、論文ではあまり使わない条文をあえて聞いてくる設問がある。管轄や、判決の拘束力などがそうである。
'B法令解釈の強化
事例研究についている法令は少ないが、これはかなり多くの条文を資料として添付している。
従って、手続きの流れなどを、法令全体を見ることによって把握することができる。
また、設問としても、そのあたりをチクチクと聞いてくる。
行政法は個別法の解釈能力を特に求められる科目なので、私も本書を使用してもっとも効果を感じるのは、この部分であった。
事例研究は自主答練などに用いるのに優れているので、本書の目的とは少し異なる。
以上から、授業または教授参加型のゼミの教材として使用することをすすめる。