創価学会に関心があって、関連著作を多く読んでいるが、学会関連の公刊物というと、礼賛か、腫れ物に触るような報道か、週刊誌のように叩けばいいみたいなののどれかで、的確に分析するものはまだまだ少ない。前著「創価学会」で、そうした数少ない客観的かつ中立的視点を提示した著者が、今回は公明党と創価学会との関係史を記した。
公明党と学会というと、傍から見ると一心同体にしか見えないが、本書によると両者の関係は、夫婦のような「異体同心」であり、今は「異体異心」に変化しつつあるといい、その関係史を公明党創立のいきさつから今に至るまで追った。朝日新聞や聖教新聞などの1次資料から池田氏ら学会、公明党幹部の言葉を多数引用しているほか、複数の現職公明党議員に直接インタビューを行っていて信頼性は高い。また、客観的といっても、批判すべきは批判している。
自らの学会論、公明党論についての言及は終章にわずかにあるのみだが、深く考えるものが多かった。なぜ、民主党ではなく自民党と組む方が公明党にとって利益があるのかを解説した節や、現実化する「ポスト池田」の学会について、「集票力は落ちるが、人的ネットワークがあり、組織が瓦解することはない」と予測した節は納得した。一方で、「学会は反エリート主義、共産党はエリート主義」という指摘は、必ずしも当たらないとも感じる。池田氏は口ではエリートをののしるが、実際には学会幹部、国会議員は一流大卒、創価大卒のエリートだらけだし、逆に共産党は市田書記長のほか、たたき上げ運動家出身の大幹部は多い。
表題となっている両者の「異体異心」の構造を、もっと深く論考してほしかったという思いはあるが、公明党と創価学会の相関史として、本書は秀作。