最近の公務員は、民主・自民・知事・国民の全てのアングルから批判されているし、身内からもブーイングの有様。 大会社で言えば、社長(大臣)は職員を「高給とりのくせに信頼できない」といい、一般職員は幹部(局長)を「無能で失敗続き」とTVや株主総会で叫んでいる。こんな異常な状況を劇場的に見ている自分を含めた国民。官から政への掛け声とともに誕生した民主党政権でなにがどう変わるのかが知りたくて、この本を買いました。 帯に「奴隷化する公務員」とあり、ややセンセーショナルな体裁ですが、中身は、公的セクターに所属する労働者(サラリーマン)としての公務員とその職域の実態と展望をしっかりしたデーターと論議展開によって述べている本です。この問題に対する総合理解と、じつは物事そんなに単純なことではないと良く理解できました。 モンスター・ペーシャントあるいは医療クレーマーが医療崩壊の一因となった如く、モンスター・ポリティシャンによって公的サービス崩壊が起らないことを願います。 また、著者はなかなか言葉使いが旨いと感じました。 例えば、脱藩官僚。民主党の官僚出身議員は、役所へ満たされないものがあったので「脱藩」したわけで役所に温情的ではない、とか、政権交代や首長交代による「ジェットコースター人事」(信賞必罰・論功行賞)、公務員バッシングは、ローマが衰退に向かう過程でみられた「パンとサーカス」などなど。著者は、この本は「公務員が嫌いな人」、「仕事で公務員と付き合いのある人」、「公務員」、「団体職員」向けに書いたと冒頭に述べていますが、政と官の関係を公務とそれを担う「ひと=員」の観点から考えようとする全ての読者にまたとない論点と情報を提供する優れた本として読了しました。