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公共事業が日本を救う (文春新書)
 
 

公共事業が日本を救う (文春新書) [新書]

藤井 聡
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

政府は、「コンクリートから人へ」のキャッチフレーズの下、多くの公共事業を「仕分け」の対象としている。ダム、港、道路、橋は本当にいらないのか。一つ一つ数字をあげながら、あくまで実証的に「公共事業不要論」を論破する。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

藤井 聡
1968年奈良県生まれ。京都大学土木工学科卒、同大学院土木工学専攻修了後、同大学助手、助教授、東京工業大学助教授、教授を経て、09年より京都大学教授。専門は土木計画学、交通工学、公共政策のための心理学。03年土木学会論文賞、05年日本行動計量学会林知己夫賞、06年「表現者」奨励賞、07年文部科学大臣表彰・若手科学者賞、09年日本社会心理学会奨励論文賞、09年日本学術振興会賞等を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 255ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2010/10)
  • ISBN-10: 4166607790
  • ISBN-13: 978-4166607792
  • 発売日: 2010/10
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.8 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (26件のカスタマーレビュー)
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53 人中、44人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
様々な統計データの話を含め、ややこしい話をよくこんなにわかりやすく書けたなあというのが第一印象です。

「『公共事業がぜんぶ不要』ってこたないだろう、
少なくとも必要であるという理由やデータを冷静に聞いて、分析した上で、成熟した議論が必要。」
という著者のメッセージがとても良く伝わってきました。

デフレと財政出動のところも、当方は今までよくわかっていなかったので(恥ずかしながら)
目からうろこ、でした。帯のキャッチコピーのとおりです(笑)。
インフレになったら、増税して公共事業などの財政出動は抑えないとならないのですね。

「(たとえ無駄でも)公共事業をバンバン行えばよい」という一方的な公共事業賛辞ではなく、

 - まだまだ日本のインフラは未成熟、で維持管理費もこれから増える見込み
 - 公共事業 = すべて悪 という風潮は疑問
 - 公共事業は次世代への贈り物でもある
 - 日本は現在、深刻なデフレなので、その対策として「も」公共事業は有効
   (インフレになったら、ある程度は抑制すべき)

といった、冷静で地に足が付いた議論がなされています。

公共事業に否定的な方々に、こういう意見もあるんだということをぜひ知っていただきたいです。
その上で、(こんなの嘘だ、妄想だなどと)思考停止することなく、冷静に公共事業の是非を議論できるといいですね。
それこそが、筆者の望んでいる「成熟した議論」なのだと思います。
このレビューは参考になりましたか?
28 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 革命人士 トップ500レビュアー
形式:新書
本書は決して「どこそこが不便だから◯◯を作れ」という旧態依然の田中角栄的な土建擁護論ではない。「これ以上の道路や港、再開発は害悪」という公共事業批判の高まりで、必要なものまで削られている、インフラの維持、コストに見合う防災、経済成長のための公共事業を強力に進めるべきだ、という考え。本書が取り上げ批判している「公共事業批判」の新書はどれも読んでいるが、道路をどうするか (岩波新書)は別として、主張は真逆ながら「人間中心の交通への転換」、という最終目標は、本書が否定的に紹介している「道路の経済学 (講談社現代新書)」「道路整備事業の大罪 ~道路は地方を救えない (新書y)」でも共通している。

さらに刺激的だったのは、「港湾の水深を数メートル掘るだけで数千億かかるため、手がなかなか付けられないが、そのために日本のハブ港湾を釜山に取られている可能性がある」という指摘、「高度成長期に作った橋が、メンテナンス不足で落下する可能性がある」という指摘だった。橋の問題は、アメリカでも同様の事象が多発し、補修予算は20年で5倍になった、日本もあと20年で危険な橋が全国で半分を占めるようになるという。ハリケーン・カトリーナによるニューオリンズ崩壊同様、利根川水系の天井川だらけの東京は、八ッ場ダムがなければ、浸水で数十兆円の被害を受ける可能性がある、とも言う。そして、「まさかを考えれば八ッ場ダムくらい安い買い物じゃないか…?」と。

最終章の「国債増発による財政破綻はほぼありえないから、数十兆円単位で公共事業やるべし」という主張はどうかと思う。また、著者が否定した新書の著者らが指摘した「ストロー効果による地方衰退」「新設道路による誘発渋滞」のアンサーも十分ではない。だが、「ほかの分野に比して、研究者から非熟練労働者まで恩恵を受ける人の分布が広い。不況下で財政支出を経済成長に結び付けるなら公共事業」。なら「猛烈な勢いで高速を作って国家を統合している中国と、財産として残らない社会保障にとらわれるのとどっちがいいか」という問いかけは考えさせるものがある。大胆かつ刺激的な提言であり、読んでいて楽しかった。著者はさらに議論を進化させてほしい。
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26 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
本書は、「公共事業=無駄」という思いこみを打破し、
公共事業の本質を知らないまま政権を選択していくことを省みて、
「本当に必要な公共事業とは何か」を考え、行動するきっかけを与えてくれる本です。

「公共事業不要論」の論拠を一つずつ論破し、
「この国で、公共事業がいかに必要か」を述べています。
私たちが、いかに、自分の周りの瑣末なことや見聞きしたことだけを基準にして
「公共事業」について考えているか、思い知らせてくれます。

某省庁に勤めている知人は、本書の内容について、「当然のこと」「常識」と言っていました。
「これまでこういう主張がなされなかったのは、日本の不幸」とも。
その危機感から本書を著すに至った、と著者も冒頭で述べています。

洪水や地震・橋の落下などの目に見えないリスクに対して、
どこまで備えて、どこまで腹をくくるか、ということも、
先延ばしにできる問題ではないことを丁寧に指摘しています。
そのバランスを決定するのが政治なのに、
現況は国民の目に見えないリスクやコストに対して政治が真摯でない、
この状況を打破するには、国民が賢明な世論を形成することが必要だ、というのが著者の主張のように思います。

民主主義が衆愚政治に陥らないためには、公共事業を無暗に批判することではなく、
一人ひとりが、他人任せにせず「公共」を想って、考えることが必要ではないでしょうか。

この本をきっかけに誠実な議論がなされることを祈ります。
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