この本の内容で皮肉だなぁ、と思ったが日経をはじめ、きちんとしたメディアの報道も多数、事実関係の確認のため引用されていること。パズルに例えるならば、ピースはかなりの量が提示されているにもかかわらず、完成させるとヤバいことが見えるのか、誰も取り組んでこなかったことに、欠けているピースを想像しながら、存在するピースを可能な限り網羅しているのような本です。
確かに一部、事実なのか著者の決めつけなのか明確ではない記述があったりするのが批判を呼ぶのかもしれませんが、引用された記事や記述(事実)が本当であれば、ここ10年ほどの世界金融の流れを俯瞰でとらえた最上の本だと自分は思います。
この本はサブプライムや世界恐慌の解説をしているようでいながらも、読者に思考をうながす内容であるため、解説本は好きでも本質的なことには興味が無い人たちにはウケが良くないことも想像できます。しかし、この本からひとつでもいいから何かを学んだ人は、仮に恐慌や不況が繰り返しても耐えられる人になるでしょう。予想に反して、知恵を学ぶ本でもあります。
ちなみに「(略)いかりや長介が生きていたら、『こりゃダメだ!』と言うに違いないのである。」(p.224)とありますが、『ダメだこりゃ!』の間違いだと思います。