今までの人生で5回観ました。映画というのは、その時々の経験で、まったく違った側面が強調されて見える、味わいが変わることがこの映画で実感されました。最初に見たときは、単に雪の中でたくさん人が死ぬ、雪山は怖い(小学生の頃)としか思わなかったのですが、サラリーマンを何年もやってから改めて観ますと、本当に似たような状況に出くわした自分であり周囲が映像の中に重ねあわされて、全く違った感想を持ちました。
組織の圧力の中で如何に上長を説得し、それでも止まない上長の横槍の中、自分の考えをどうやって通して、望ましい結果を導き出していくか、また軍隊というそもそも人間性が疎外される中で、自らの生き様であり、部下に対する人間的な思いやりを、軍隊としての枠組みを離れずに表現出きるか、高倉健と北大路欣也が演ずるタイプの全く異なるリーダー像を通じて感じ入った次第です。
しかし、最高の結果を出したグループが何年後かには203高地で全員命を散らした一方、リーダーシップ不在で死のふちを彷徨いながらも、足を凍傷で失ったがために、第二次大戦後まで生き残ることが出来た兵士が過去を振り返るシーン....。人生何が勝者で何が敗者か、その基準とは何かまで考えさせられました。
時代考証等は差し置いて、リーダーシップとは何か、組織とは何か、そして日本人が失いつつある矜持とは何かを考えさせられる作品です。本当にお勧めします。