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ある意味、この八犬伝は本来の八犬伝を超えたと言っても過言ではないように思えます。
南総里見八犬伝という「物語」と、書き手の滝沢馬琴の生きた文化文政という時代のうねりという「物語」とが同時並行している八犬伝であり、とにかく、その奥行きの深さ、表現力の巧みさに舌を巻きました。
言うならば、司馬遼太郎という人が、その緻密な構想力を駆使した絶妙のコントロールと投球術で打ち取るタイプなら、山田風太郎は絶品の切れ味鋭い変化球をコーナーいっぱいに投げ込んでくるタイプだと思いました。
ある意味、二人は時代が違えば、「天徳内裏歌合」での壬生忠見と平兼盛であったのかもしれません。
とにかく、一度、読んでみる価値は十分にあるように思います。
面白かったですよ。
特に、我々、NHKのテレビ人形劇「新・八犬伝」世代には・・・。
又、晩年、眼を患い文盲の嫁と手を取り合って、この小説を完成させた所等、実に泣かせてくれる。肝心の「八犬伝」の筆さばきも見事だが、「明治物」や「忍者者」を書かせたら一流の山田風太郎、二倍にも三倍にも楽しめた「風太郎八犬伝」である。
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