まじめな真摯な態度が画面いっぱいに広がっている映画だということです。ちょっとの揺らぎもなく、遊びというか、変な下心のあるような映画ではないということです。
はじめのうちは「雷が落ちて心中した二本の杉の木」の話を聞かせれても子供たちは都会っ子、ましてや生活スタイルは欧米様式、夜の怖さ、自然の恐怖は知りません。基本はこの自然の恐怖にあると思うのです。そして人間のいろいろな意識の衝突や出会いをさまざまな人を介して、いろいろな角度から描写することで夏の彼岸前後の出来事をまとめて見た感じの映画なんですね。老人の女性の一生の思い出がつづられる感じで関係ないようでひとりの日本人の戦後の生き方、さらに戦後を問わず日本人の女性の感じ方をうまく子供たちを使って描いております。最後に「幽体分離」するシーンを象徴的に描いてますが(私はそう思っております)この辺は監督うまい。孫たちが間に合うかどうか、とはらはらしながらみているのですが、そこにシューベルトが流れます。なぜシューベルトか、わからないのですが、それは薔薇がおばあちゃんだからでしょう。「野中のバラ」これはおばあちゃん。これで8月9日の日に孫が見たようにおばあちゃんはあの世でおじいちゃんに出会えるでしょう。そしてお兄さんにも。
この孫達がおばあちゃんを一番理解でき、アメリカ人も理解できたことがとても美しい、素晴らしいドラマだと思います。