宇佐八幡宮、石清水八幡宮、鶴岡八幡宮を筆頭に、祀られている神社は全国に四万社はあると言われている九州宇佐地方の神・八幡神(八幡大菩薩)。
本書のタイトルは『八幡神と神仏習合』となっているが、それぞれ同じレベルで説明がなされるのではなく、メインの内容は八幡神の説明であり、そのために不可欠な神仏習合をプラスしたという感じなので、神仏習合についてはその起こりから明治時代の衰退までそこまで詳しく説明されているわけではない。なのでタイトルに惹かれて本書を手に取ろうとした方にはそこに少し注意が必要かもしれない。
つまり、神仏習合についてガッチリ学びたいのであれば本書はあまり適していないということだ。
資料の引用が多く、また扱う内容的にもどうしても漢字や言葉遣いが難しくなってしまうので、決して読みやすい本ではないとは思うが、読めばなぜ八幡神がこれだけ全国に広まったか、なぜ宇佐地方が独特の文化圏を持つようになったのか、ということがよくわかるようになっている。
八幡神に興味がある方にとっては最適の入門書になることは間違いない。