テレビで地元の人が「ダムを作って欲しい」と言うのをみて、いつも本当かな?と思っていました。
実際に川原湯温泉に行って、旅館の人とお話しようとしてもダムのことはなかなか話してもらえませんでした。でも、この本を読んで、地元の人が話したがらない訳が少しわかったような気がします。自民党が強い群馬で約60年間もダムでもめてきて、反対の運動がつぶされて、町としてダムを受け入れざるを得ない状況に追い込まれてしまった後は、なかなか反対なんて言えない状況になっているのではないでしょうか?家族の中でも意見が対立して、家族がばらばらになってしまったりしているのではないでしょうか?
この本は客観的に冷静に詳細に歴史を調べてあって(前半)、地元の人の状況の背景になっていることがよくわかります。そこからは自分で想像するしかないのですが、ダム問題に見切りをつけて他地域へ引っ越した人もいれば、残りたくても残れなかった人…さまざまだと思います。きっととても長いあいだのことなので賛成反対のひとことでは語れないのではないでしょうか?
この本の後半では八ッ場ダムの必要性がないことがよくまとめられています。じゃあ、今、検証結果が出たっていってる専門家による検証って??なんなんでしょうか?
ダムの話って難しいですけど、この本はダムが地域の人々の暮らしや絆を破壊していくありさまとそういう日本でいいのだろうか?ということを静かにじんじんと問いかけているように思いました。