私も小学生の時TVで見てトラウマを受けてしまった人間の一人です。何しろ2-3か月の間、夜一人で寝ることが出来ずに父親に添い寝してもらっていたくらいでした。 30過ぎになるまで,私はホラー映画が大嫌いで、ほとんど見ることがありませんでした(今はおくれを取り戻さんとばかりに結構見ていますが)。理由をいろいろ考えてみるに、どうもこの映画が原因だったのではないかと思います。恐い話はそれ以前から苦手だったのですが、今振り返ってみると、この映画が最初から最後まで見た初めてのホラー映画(ではないんでしょうが、私の中ではそうなっています)だったような気がします。免疫ほとんど0の状態で、初めて見た怖い映画がこれじゃあ、ホラーをその後見れなくなったのも無理はないでしょう。
ーで、20数年ぶりに友達と一緒にこの作品を見直しました。さすがに今見ると落ち武者惨殺のシーンなんか全部作り物とわかってしまい、それほど怖くはありませんでした。 しかしそれとは別に、映画そのものの完成度に驚かされました。あの狂走する山崎努を横からとらえたスローモーションなんか、ちょっと息をのむような美しさ。犯人がクライマックスで見せるあの“眼”なんか、恨みの固まりと同時にどこか悲しそうで、怖いやら美しいやらー、もう何とも言えません。 物語自体はめでたしめでたしで終わりますが、何とも言えない不気味な感覚は観客の胸に永遠に残ります。これぞ真のホラー(って、ホラー嫌いのくせに言ってるよ)。
近年、欧米人の間で日本のホラー映画はブームになっていますが、彼らのほとんどは“八つ墓村”を見ていないのです。何とも口惜しいじゃありませんか。 いつか見せてやりたい、と思うのは私だけでしょうか?