本作は、今まで観たことがない不思議な感覚の映画だ。主役3人の織りなす不器用な生き方は、共感できる人が多いのでは。荒川良々の存在感はいつも凄いのだが、今回は堂々の主演だ。いつもは主役を食ってしまう味のある演技で魅せるが、主役になっても逆に共演者に押されることもなく、その自然体さが良かった。木村佳乃は、普段活発な役どころが多いだけに、こういう超不器用な芝居は観ていて楽しかった。岡田義徳は、言ってみれば十八番の役柄なのだが、垢ぬけない人生に対する漠然とした不安や、凄く引き気味の恋愛などを完璧に演じて見せた。タイトルが何を意味しているのか自体、よくわからないのだが(笑)、これは大人計画・佐藤監督の意向によるところが大きいだろう。クドカンや松尾スズキたちと組んできた感性は、やはり変わっている。特典映像の座談会で木村佳乃が「監督は携帯電話も持っていない」と、その変わり者ぶりを話していたが、一風違う感覚を持っているだけに、次回作も楽しみな監督である。特典ディスクには座談会やインタビュー、舞台挨拶集が収められており、撮影の裏側を垣間見ることができる。座談会(荒川&木村&きたろう)が凄く楽しかったので、もう少し長く収録して欲しかったなあ・・・。通常版は予告編しか入っていないので、購入するならこちらをおススメする。星は4つ。