著者の自伝の体裁を取った小説(主観的には自伝なのかな…)。300頁あるが、本当に一気に読めます、夢中で。とにかく面白い。
ヤクザ崩れのもとで怪しい仕事をすることになった地方のオタク青年のビルドゥングスロマン(ピカレスク?)という奇妙な代物だが、青春小説特有の心の柔らかい場所を刺激するような独特の青さもあってドキドキする。
サブカルっぽいとか、カバーデザインがエッジがききすぎとか、そんなことで怯まずに、良質の青春小説を読むような気持ちで手にとっても後悔することはないだろう。
ごちゃごちゃした本文のデザインも、読むうちにこれっきゃないように感じられてきてしまった。漢字だけゴシック体という不思議な組みだが、漢字ばかりがぱっぱと目に入ってきて、自然と速いスピードで読めてしまうというすぐれもの。スピード感のある文体にとてもよくなじんでいた。発明だ。