東洋は不思議な雰囲気に満ちている。かつて西洋人が東洋に惹かれた理由が分かる気がする。
それにしても、藤原さんはよく旅をされたものだ。危険もあっただろう。病気もしただろう。そんな藤原さんのカメラは、風景から現地の人まで見事に写す。チベット高原の乾いた大地、ビルマ(国名は当時)のパゴダ、大都市になってしまった今とは全く違っていた混沌とした上海、未だ返還されていなかった時のこれまた混沌とした香港、ソウルの市場、そして、高野山。写真だけではなく、藤原さんは現地の人々との濃い交流も忘れない。決して美しいだけではない現地での記憶を、文章にしている。