「全国鉄道おもしろ辞典(2004年刊行)」の加筆・修正本。しかし、今となっては古びたままの情報がそのまま記されている誤りが頻発している。
(鉄道博物館などに保存されているJR東日本のクモハ40型が、まだ営業運転できることになってしまっている。新幹線200系のビュッフェがまだ営業している等々)
と同時に、関西の電車や鉄道会社は無条件に素晴らしいという私見が異様に鼻につく。
(阪神なんば線の電車が関東様式に作られたことに際して、「大量の電車が必要になった故の緊急措置」「景気回復後はまた関西様式に戻る」)
加え、「なぜ福知山線脱線事故は起こったのか」において「車体の脆弱性」「ボルスタレス台車主因説」を唱えたが、事故調の報告書では、前者については「客室内の空間が確保されるよう車体構造を改善することを含め、引き続き車両の安全性向上方策の研究を進めるべき」との所見に留まり、後者は完全に沈黙したことについて、
「車体が弱いから被害を大きくしたという論者に対する鉄道関係者の差し金(P19)」
「ボルスタレス台車に欠陥があると思っている鉄道関係者は多くいましたが、
その後、すぐに事故調は沈黙するようになりました。私はどこからか圧力が
かかったように思えます。(P253)」
と、陰謀論を唱え始める始末。科学的論拠無き反論がなかった以上、ボルスタレス台車欠陥説に反論した、久保田博氏の弁を借りれば「福知山線事故に関心を寄せる人たちを惑わせるもの」でしか無い。
電車・列車、路線の紹介や、願望だけで止めておけば良かったのだが、啓蒙書・趣味書としては作者の意見が前に出すぎだし、鉄道工学書としては不正確。
「明日、人に教えたくなる面白ネタ」というよりも、「人にそのまま教えないで、お願い(不正確を広められると、困る)」というのが、本音である。