第二巻は「帝国主義」を扱う。国内の市場が飽和状態に陥ったのち、ブルジョワジーが過剰資本を海外投資する際に国家の保証を要求したことに始まるイギリスの帝国主義の形成過程から始まり、投資先で実際に事業に従事するモッブと資本家の結合が起こったこと、モッブ及び現地の行政官の行動原理に人種主義が採用され、南アフリカの金鉱・ダイヤモンド鉱で実践されたことが全体主義運動にヒントを与えたという指摘がまずなされる。
次に、大陸における帝国主義がオーストリアとロシアでそれぞれ汎ゲルマン主義、汎スラブ主義として表れて展開したことも、同様に全体主義運動を用意した要因として取り上げられる。
最後に、第一次世界大戦後に東欧・南欧に新しく作られた国家群に少数民族の問題が持ち上がったこと、彼らはやがて無国籍者、亡命者となって従来の人権思想の無力さを明らかにしてしまったことが指摘される。
といった筋書きで進んでいくこの著作を読んでいくと、帝国主義に内在する仕組みの数々は一貫して国民国家体制を破壊しようとする意図を隠し持っていて、具体的には、国家が公民状態での各自の活動を保証する法そのもの、または法に基づく政党制や各種利益団体・職業団体の効力を無力化させる効果を、一貫して志向している。第一巻の反ユダヤ主義と共に、政治生活を保証する国家と社会の有効性の外濠と内濠が埋められていき、その先に全体主義による統治が現れてくる。
読み進めるのが怖くなるぐらいリアルで、今の状況にも無縁ではない一冊。