本書はC言語をある程度習得していて,GUI アプリケーションの作成に興味を持っている人を対象に書かれています.GTK+ についてあまり知識がない人でも,チュートリアルを読み進めながらGUI アプリケーションを作れるでしょう.またGTK+ で使用しているさまざまなライブラリやGTK+ が提供するウィジェットの使い方も解説しているので,ある程度GTK+ を知っているけれどもっと詳しく知りたいという人にも最適です.
本書の構成
本書では,GTK+のインストールや簡単なプログラム作成から始まり,独自のウィジェット作成やプログラム作成統合環境を使用したプログラム作成など発展的な話題を扱います.本書の構成は次のようになっています.
第1章 GTK+ ってなんだろう
GTK+ に関する簡単な紹介と,Ubuntu 9.04 日本語Remix 版でのGTK+ の開発環境の設定方法を説明します.
第2章 GTK+ で画像ビューワを作ってみよう
チュートリアル形式で画像ビューワを作成しながら,GTK+ によるアプリケーション作成を体験します.ここではあくまでGTK+ の体験を目的としているので,詳細な説明は省略して,GTK+ を使うとどんなことができるのかを中心に紹介します.
第3章 もっとGTK+
GUI アプリケーションを作成する際に最も基本となるウィジェットの配置方法や,ボタンをクリックしたときにどのような仕組みでコールバック関数が呼び出されるかを説明します.
第4章 GLib
GLib は,C ライブラリの標準関数を拡張したいくつかの関数を提供します.またリストやハッシュなどの拡張データ構造も提供されており,それらのデータ構造を簡単に操作できます.ここでは,GLib が提供する便利な関数やデータ構造と,それらに対する操作関数を具体例を挙げて説明します.
第5章 GdkPixbuf を使った画像アプリケーションの作成
GTK+のバージョン2 以降では,画像読み込み用のフレームワークとしてGdkPixbuf が正式に採用されました.GdkPixbuf を使うと,PNG やJPEG といった一般的な画像ファイルを読み込み,画像に対して簡単な操作を行うことができます.この章では,簡単な画像処理アプリケーションを作成しながら,GdkPixbuf について解説します.
第6章 cairo による図形の描画
cairoは,GTK+ のベクタグラフィック部分を担当するライブラリです.ここではcairo による図形描画について解説し,直線や矩形,円弧など具体的な図形の描画方法を説明します.
第7章 ウィジェットリファレンス
GTK+ では,操作性が良く,便利なGUI を作成するためにさまざまなウィジェットが用意されています.これらのウィジェットのそれぞれについて,機能や具体的な使用方法を紹介します.
第8章 拡張ウィジェットの作成
GTK+ では既存のウィジェットのほかに独自のウィジェットを一から作成することができます.もちろん,既存のウィジェットを組み合わせて便利な発展ウィジェットを作ることもできます.この章では拡張ウィジェットの作成方法を具体例を挙げて解説します.
第9章 統合開発環境によるソフトウェア開発
GTK+/GNOME の統合開発環境であるAnjuta によるアプリケーション作成の手順を解説します.Anjuta によるプロジェクト管理やGlade によるGUI のレイアウト作成機能によって,GTK+アプリケーションを簡単に作成できるようになります.
第10章 プログラミングの小箱
マウスやキープレスの検出やドラッグ&ドロップの実装など,実際にアプリケーションを作成する際に欠かせない処理から,少し発展的な内容まで幅広く紹介します.
付録A GTK+の開発環境の構築
GTK+での開発に必要な環境の構築方法を説明します.
付録B Visual Studio 2008 Express Edition でのビルド方法
Windows上でVisual Studio 2008 Express Editionを使ってプログラムをビルドする方法を説明します.
付録C GtkStockItem一覧
GTK+であらかじめ定義されている,GtkStockItemと呼ばれるアイコンの一覧です.
付録D サンプルプログラムのソースコードリスト
著者のWeb サイトで公開している,本書で扱ったプログラムソースコードの構成を説明しています.
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