統合リスク管理の本。リスク管理の手法や考え方は、時代や法規制によって影響を受け続けている。この本は、このレビューを書いている前年に出版されており、比較的新しいので選んだ。2009年9月現在の情報に基づくという注釈がある。
リスク管理の本だが、数式はあまり登場しない(付録部分ではかたまって登場する)。また、信用リスク、市場リスク、オペレーションリスク、流動性リスク、決済リスクの説明もあるが、どちらかというと統合リスクというマクロ的な視点からのリスク管理の概念や背景を理解する用途に向いている。統合リスクの意義、リスクの合算フレームワーク、銀行で一般的なリスクと保険リスクの違いなどの説明はわかりやすかった。各国の指針や状況もよく整理されている。アメリカのAIGの危機をリスク管理の側面から解説している部分も印象に残った。
ページ数より内容は濃い。リスク管理についての大枠を理解する用途に向いている。なかなか良い本だと思う。尚、本書は金融業務の基礎知識がある人向けである。