数式をなるべく用いない経済学の入門書として定評のある『入門 経済学』の、8年ぶりの改訂版。従来の独特の語り口は今回も健在な上に、ここ数年で発展した「ゲーム理論」「情報の経済学」などのトピックもつぶさに網羅している。
なお個人的には、本書の構成が「ミクロ」「マクロ」というシンプルな2本立てに改良されたことを最も高く評価したい。前版は、「マクロ基礎」「マクロ展開」「ミクロ基礎」「ミクロ展開」という一見親切そうな章立てだったが、基礎と展開の区分が曖昧なために重複記述が随所に散見され、一冊の書籍としては統一感に欠けるきらいがあった。今回の改良により、全体のまとまりが良くなったほか、同じ著者が手がけた他の経済学入門書とも伍する出来に仕上がったように思う。