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「入門」と銘打っていることからすれば、刑事訴訟法の勉強を始めた学生を念頭においていることは確かだろう。説明も一言でいえば平易。個々の場面の記述で学説の細部にとらわれるようなところはない。むしろ、刑事手続全体の流れを、制度趣旨にそって刑事手続に関わる者が一致して共通認識としているところから説き起こす。まさに入門という名にふさわしい。図表も多い。第3版では、各種書面が横書きになったことに対応して、差し替えられているのもよい。
しかし、本書は入門者だけのものではない。よく言われることだが、よい入門書には、その学問分野のエッセンスが凝縮されている。本書執筆の動機のひとつは、外国に向けて日本の刑事手続制度を発信するための準備作業にあったらしい。残念ながら、本書が英訳されたとは聞かない。しかし、あらゆる人に日本の刑事手続のエッセンスを伝えようとするための準備作業としての本書の狙いが、学習入門者にだけに向けられたものでないことは確かだろう。
勉強をはじめた人はもちろん、勉強が進んだ人にも発見のある一冊である。
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