![]() | 会員なら、この商品は10%Amazonポイント還元 (ポイントが表示されている場合は、表示ポイント+10%還元)。 |
登録情報
|
評者は、著者を、入管政策の第一人者として高く評価してきたところ、本書では、著者のこれまでの取り組みと情熱が極めて分かりやすく述べられている。特に、外国人犯罪は、日本が多民族国家化への道を進むとすれば、国民の悪感情の増大につながり、その阻害要因になる意味で、徹底した取締を行っており、その体験談が記されているのは極めて興味深い。
また、「在日」問題については、著者の政策提言論文である「坂中論文」の誕生の経緯と、その後の展開が記されており、極めて興味深い。重要な点は、著者は、行政官として純粋に、当時の入管が回避してきた分野で政策提言を行い、結果的にそれが未来を見通したものであったため、「後から」採用され、実現してきたことだ。「在日」イデオローグの「坂中論文」へのアレルギー的反応に対して、著者も「自分の未来を決定できないもの」として批判しているが、まさにその通りである。
さらに著者は、今後日本が「人口減少社会」を迎える中で、移民政策の重要性が増す中、移民の「パイオニア」としての在日の意義を提唱している。これは評者もかねがね述べてきたことで、大いに賛同するところである。しかし、当の「在日」が一切こうした未来志向の方向性を打ち出せず、当事者ではない著者が「考えている」のは、ある意味で深刻である。
ただ、詳細には述べないが、今後の日本の移民政策を考えるに当たっては、問題のある箇所も多く、逆説的に、その課題が示されたといえる。評者としては、著者のこれまでの仕事に大いなる敬意を表した上で、その未完の仕事を批判的に継承する、という実に重要な課題が改めて明らかになった。