内容紹介
日本人はよく風呂に入る。この風呂に入るという、ごく当たり前な日頃の習慣も、よくよく考えてみれば、まことに奇妙な習慣である。欧米では、ふだん風呂に入ったことがないという人が多い。入浴しないと汚いと思うけれども、毎日シャワーを浴びているから平気らしい。一七世紀のフランスでは、清潔とは下着を替えることで、風呂に入ることではなかったそうだ。 本書で、著者は風呂に関して七つの「なぜだ」という疑問を提示する。A内湯の小さなユニットバスにつかり「極楽、極楽」とかいって、浪花節をうなる人がはたしてどれだけいるか? B「水着でお風呂」の時代といわれる今、現代人の入浴作法はどうなっているのか? C日本人は大昔から風呂好きだといわれるが、昔と今では勝手が違うらしい。では、極楽気分とはどこからきたものなのか? D湯の楽しみを日常的に確保してくれた銭湯が、最近様変わりしているようだが、どう変わったのだろう? E上方では風呂といい、江戸では湯というが、どこがどう違うのか? F湯の楽しみは温泉にいきつく。世界に類のない日本人の風呂好きの正体をみるには、温泉の正体をみる必要があるのではないだろうか? G日本人の風呂好きは、外国の人たちにどう映っているのか。日本と欧米ではどこがどう違うのか? 本書は、こうした疑問を解明しながら、日本人の風呂好きな習俗の正体に迫る、これまでにないユニークな視点の本である。 昨年末から今年の二月にかけて、著者といっしょに都内のいくつかの銭湯をたずねた。露天風呂あり、サウナあり、電気風呂、ジェットバスなど当り前、まさに「極楽、極楽」の気分だった。ちなみに、人はどんなとき「極楽、極楽」と口にするのか。美味しいものを食べたとき、素敵な女性(男性)といっしょにいるとき、そして、気持ちのよい風呂に入ったときだそうである。
出版社からのコメント
連綿とつづいてきた日本人と風呂の関係をとらえ直し、入浴による極楽気分を解き明かしながら日本人の風呂好きな習俗を考える。銭湯の生き残り作戦、入浴作法のあれこれ、温泉天国の現在、入浴の東西比較など、興味深い内容構成。