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本書で描写されている、入国警備官という職務の特殊性、そしてそうであるがゆえに、入管法の専門知識と、不法滞在外国人を取り扱うことに特化した経験が要求されることが明らかになっている。実際、本書においては、主人公達の行動の基礎となっている入管法に関する解説的な記述が多々あり、また、実際の摘発の場面や、入国管理局内での事なかれ主義などは、さすがに現場を経験した者でなければ描写できないものといえる。
その中でも、少ない人員の中でも不法滞在者の摘発の効果を挙げなければならないという組織としての方針と、入国警備官としての本来の職務に忠実であろうとする主人公が、そうした葛藤の中でも、入国警備官として誇りを持って勤務に当たっているという描写は、どこにでもありそうなものといえばそれまでだが、こうした個々の警備官の過重な努力によって、不法滞在者の摘発が行われているという現実は直視しなければならないだろう。
我が国では、すでに行政需要を失った部門にも依然多数の公務員が配置されているが、入国管理局のように行政需要が飛躍的に増大した部門には、全体的な「人員削減」という方針のために十分な増員が行われないとは本末転倒ともいえよう。こうした状況は、世間一般の出入国管理行政への理解不足に起因するものがあると思われるが、その理解の進化のためにも、本書は非常に大きな役割を果たしており、その意義は非常に大きいと思われる。
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