広島でSCをやっています。SSTには理論書とワークブックの二つがありますが、どちらにもあてはまらないユニークな本で、学校のSSTを上手に実践することが主題になっています。各章のはじめに,著者たちによる座談会があり、学校現場での協働についてつっこんだ議論が掲載されていて読み応えがありました。
第一章は教師や外部講師が行う小学校と中学校のSSTの紹介です。ここでは道徳型SSTというユニークな試みが紹介されています。第二章は「他手法とのコラボレーション」としてSSTとインプロ教育、チームビルディングとのコラボレーションが書かれており、インプロ教育に関心のある方にも読み応えのある内容になっています。第三章は「SSTのこれから」として、学生支援ボランティア制度を紹介しながら、SSTが学校に根付くための論点や大学院生がSSTを学ぶ際のポイントが書かれていました。
その他、「教師がSSTをやる際の指導案」、「SCがSSTをやる際のメリット」、「開かれた学校の中でのSST」、「荒れているクラスでの実践法」や「学級崩壊後のクラスとSST」、「臨床的家庭教師とSST」など、これまでの本にありそうでなかったユニークな論点が言及されています。個人的にはSSTの斎藤先生とインプロ教育の高尾先生の「子どもたちのコミュニケーションスキルの現状」に共感しました。
「SSTとは何か」という初歩的なことが書かれているわけではないので、全くの初学者には難しいかもしれませんが、特に学校臨床領域を希望する大学院生やすでにSSTを実践している教員には参考になることの多いお勧めです。SSTの本としても読めますが、教育現場で多様な職種がコラボレーションしていくための課題について書かれた本としても評価できると思います。