『免疫不全』は難しいし、わかりにくい。その上、疾患を見逃すと致命的になりうる・・・
ということで私を含めて苦手意識の強い医師も多いと思います。
この本は呼吸器感染症と題名がついていますが、呼吸器に限らない基本的なところから解説がはじまっています。
免疫不全と一口にいってもどの免疫機能がおちるとどの感染症になりやすいのか、どの疾患または薬物でどの免疫がおちるのかといった基本的なところから、移植後や抗がん剤治療後、AIDSなど疾患別に好中球減少症や細胞性/液性免疫の低下をどの程度心配すればいいのか、胸部画像所見から鑑別を考える方法、免疫不全時に問題となる原因微生物別の特徴や治療、さらにいわゆる日和見感染の予防法など多方面から解説されています。
そして、最後に1章つかってケースカンファレンス。これだけ臨床経験のある先生方の現場での生の考え方を追体験できる機会はなかなか無く、非常に参考になりました。
この本は、診断や治療に対する考え方に重点が置かれていますので、診断後の治療薬の量や期間だけを簡単に調べたいという方にはあまり向いていないかもしれませんし、一般感染症に対する経験値が足りない初期研修医の方々にはピンとこない部分もあるかもしれません。一概に言い切れない部分が多いのもこの分野の特徴だと思います。
ですが、『免疫不全』についての臨床に即したアプローチ法を学ぶ上では最良の本だと感じました。
糖尿病も免疫不全の一因であるように、臨床医として活動していくには残念ながら免疫不全は避けて通れません。
私のように『免疫不全』アレルギーのある医師にはぜひご一読をお勧めします。