文庫版のreviewです。
原版はいわずと知れた同タイトルの名著「光速の終盤術」。再版を待ち望んでいた方も多いと思います。
間違いなく買いです!
超難解であったとしても、トッププロの終盤での思考回路が垣間見えるだけでも十分です。すべてを理解できなくても思考回路の流れは真似することができます。今では同様のコンセプトの優れた棋書がいくつかありますが(「戦いの絶対感覚」シリーズなど)、終盤をテーマにしたものの中では本書は量・質ともにずば抜けています。さすがに初級者には意味が分からないかもしれませんが、「詰めろ・必至を理解している、速度計算ができる、短手数の詰将棋が解ける」ならば買いです。
この原版を初めて読んだのを境に、自分の実戦での終盤の思考回路が明らかに変化しているのが、はっきりと実感できたことをよく覚えています。一貫してロジカルでありながら、対局時の心理状況や読みぬけ・錯覚があったこともストレートに表現されているのも良いです。文庫版になって途中図や参考図が追加され、ほとんどのページで盤面が見開き3図〜4図掲載されていて読みやすくなっています(しかしそれでも本書は将棋盤と駒が必要でしょう…)。文章は同一のようです。
(参考図の挿入間違いを1ヶ所見つけました。他にもあるかもしれませんが、評価を下げるようなものではありません。不満点はただひとつ。ソフトカバーでも良いので原版と同じ装丁で再版して欲しかったです。同じカバー写真なら星6つ!!)