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主人公の小学六年生の一郎が、龍子(りゅうこ)を始めとする同級生の仲間たちとともに、敵と戦っていく話。タイトルにもなっている「光車(ひかりぐるま)」をめぐる攻防が、一郎たちと敵との間で繰り広げられていきます。
光車の輝く円模様や不思議な形をした地霊文字、鏡像世界のようなさかしまの国、町の道路に染み出してくる水など、それらのイメージが妖しく、鮮やかに描き出されていたのが印象に残ります。殊に、表紙の装丁にも描かれている光車の描写が美しく、キラキラとした光を放っていたのが忘れられません。「光車って、子供の頃に歯車を回転させて描いた花模様に似ているなあ。あれは、なんだったっけ?」と調べてみたら、スピログラフという名前の玩具だったことが分かりました。
善悪二元論の骨組みを許にしたファンタジーなんですが、ラストでは、それだけにとどまらない不思議な余韻があるのですね。物語に意図された善悪二元論のことについては、巻末の「作者おぼえがき」に簡単に記されているのですが、この話は単純に善と悪といった具合に切り離してしまえるものではなく、コインの表と裏のような関係を表現したかったのではないかと、私はそのように受け止めました。
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