本物の科学者による快著。光触媒における非実証空想科学(エセ科学)の氾濫は、現代の錬金術狂騒といえる。著者は光触媒の研究者・実証科学者として光触媒の狂騒状態を滅多切りする。だからといって批判書ではなく、光触媒に関する知識を読者が正しく得られるように筋道だって構成され丁寧に解説している。
エセ科学がまかり通っていることの理由に、触媒反応における素過程や中間生成物を直接観測できないことを挙げている。素過程に対する、あらぬ想像が論文に書かれたことによって一人歩きし事実であるように振舞ってしまう。実証科学としての本質を見失った現状を浮き彫りにしている。