ブランド物はいつの時代も人の心をくすぐるというのか、
舶来モノに魅了されるのは今始まったことではないというべきか。
しのんでいった光源氏を興ざめさせた
「末摘花」が着ていた黒貂(ふるき)の皮衣は
ロシアンセーブルの毛皮であり、平安前期のステータスシンボル。
ただし、着用したのはもっぱら男性貴族で、
源氏物語が書かれた頃にはすでに時代遅れのものであった・・・
でも、ロシアンセーブルの毛皮っていうだけで、
オシャレな気がしてくるから不思議。
「唐物とよばれる舶来ブランド品」には
香料、染料、貴木、薬品、顔料、鳥獣類、書籍、文房具etc.
今とかわらないのだなと思う。
「美しきガラス器」
「平安のフレグランス」
「舶来ブランドのコスチューム」
「平安のインテリア」
「舶来ペットの功罪」などの章があり、
章のはじめには、それぞれのアイテムのヨーロッパ・ブランド
たとえば、ガラスでは
「バカラ」や「ボヘミアン・グラス」、
フレグランスでは
マリリン・モンローが就寝時にまとったという「シャネルの5番」
などの話が配してあり、
とっつきやすくイメージしやすい。
源氏物語では登場人物がどんなブランド品を使うか、
誰にどういうブランド品を贈るか、
それらは地位や性格によって書き分けられており、
紫式部の配慮のこまやかさを感じることができる。
その一方、
現実には「唐物狂い」と呼ばれる人たちが存在したようで、
今も昔も変わらないというのか、
ブランド(舶来品)に弱いのはDNAなんだな、たぶん・・・