「光をあつめて」
季節の情景無しにレミオロメンの歌詞:藤巻亮太の世界観は語れません。"夏"を描いた「雨上がり」「スタンドバイミー」、”秋”を描いた「コスモス」「星取り」、”冬”を描いた「粉雪」「Wonderful&Beautiful」、そして”春”を描いた曲も多く、「Sakura」「茜空」「春景色」…どの曲も独特の目線で”春”を描いた曲でした。
その「春」が無くなってしまったと言える、2011年3月11日。
ソロデビューに多くの要因あれど、もしかしたら、無くなってしまった一つの季節を歌えなくなったというのも要因の一つなのかもしれない、と思ってしまいました。”春は今は見えなくても” "透明な桜の花"などといった歌詞に表れているように。
藤巻亮太の初期作品に「モノクロの未来」という曲があります。当時デビュー前の思い:これからの不安を綴った歌詞ですが、「光を…」の
” どんな未来も色を失ったまま ”
という歌詞からそのタイトルを思い出してしまいました。そこから10年以上経ち、再び藤巻亮太は先の見えない境遇に立たされてしまいました。震災に遭ってしまった人々への曲でもありますが、その人々へ、歌を贈る為に自分がしなければならない事は”モノクロの未来”を怖れ、見ているだけでは無い。それが、藤巻亮太自らが歌い続けて行く事、「光をあつめて」行く事なのでしょう。 先に引用した歌詞はこう続きます。
" 色を失ったまま だけど 光をあつめて "
応援するような、付き添うような、それでいて内面を吐露した、今の藤巻亮太を全て捧げたような一曲。素晴らしいです。
「ひとりぼっち」
歌詞を見たときは、かなり痛い所をつかれてしまった…と感じました(笑) 正直になれない情けなさ含んだ恋心を描いた曲。藤巻亮太の観察力、鋭さ、そして表現力が見受けられます。そういえばこんなにも正直な人間らしさを描いた曲はあまり無かったかな?と思います。
アレンジがパーカッション豊富でレミオロメンとは違った味を出しています。曲調はこのシングルで一番ソロらしいかも知れません。
「キャッチ&ボール」
曲調は近年のレミオロメン…「Starting Over」などに似たアレンジに思えました。歌詞が「藤巻亮太」としての”Starting Over(再出発)”という意味合いにとれるので曲調自体が曲の位置づけを表しているのかもしれません。
レミオロメン「東京」に(故郷の空に登った入道雲を 今も追いかけているよ)という歌詞がありました。あの頃結局藤巻亮太は戻れはしなかった、追いかけるだけだった入道雲。それに対してこの曲の歌詞ではその雲に、名前は忘れても出会っている
”だんだん雲が高くなってく 入道雲っていうんだっけな”
という歌詞。怖れの中にも光を見いだしている、これから一気に藤巻亮太らしさを取り戻そうという意気込みが感じられる一曲です。
レミオロメン休止は確かにショックでしたが、3曲全てにソロとしての藤巻亮太の今の力、意気込みを感じられました。
今はただ、その世界観を作り出した藤巻亮太の、藤巻亮太としての思いを、世界を、思う存分発揮して欲しいです。