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光る源氏の物語〈上〉 (中公文庫)
 
 

光る源氏の物語〈上〉 (中公文庫) [文庫]

大野 晋 , 丸谷 才一
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

当代きっての国語学者と小説家が、全巻を縦横無尽に読み解いて、それぞれの立場から丁々発止と意見を闘わせた、斬新で画期的な『源氏』論。時に大胆な歯切れのいい現代語訳が、難解な大古典から豊潤な恋愛小説の世界へと読者を誘い込む。

登録情報

  • 文庫: 432ページ
  • 出版社: 中央公論社 (1994/08)
  • ISBN-10: 4122021235
  • ISBN-13: 978-4122021235
  • 発売日: 1994/08
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.8 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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最も参考になったカスタマーレビュー
14 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By shoko-f
形式:文庫
源氏物語を「日本語練習帳」の大野晋氏と作家の丸谷才一氏が語り尽くすという対談形式もの、全然難しくも堅苦しくもなく。源氏がすらすらと頭にはいります。特に圧巻なのは「性」を語った場面、性を下品にならずに語れるのは御当人方の品位によるものと感服させられます。(これがなかなかできませんからね、普通の人は)

特に大野氏の誠実さには脱帽と言った感じです。(本当に真面目で言い方なんだろうなと思わされます。)源氏のお勉強にはもってこいの一冊。
かなりお勧めです。

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4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By harryss
形式:文庫
比べるものが他にないと思われる源氏物語読解のための手引き。
(沢山読んだわけじゃないので偉そうなことはいえませんが)高校時代から今まで、色んな本によって源氏物語を読もう、理解しようとしてきましたが、上手くいかなかった。
そんな自分が、この本で初めて、読み通せました。

今まで僕が読み通せなかった点として大きな点が2つ。
1.紫式部の文体が複雑ですっと理解できない。
谷崎、瀬戸内、円地等優れた訳があるといわれますが、訳だからこそ式部の文体を基調とするわけで、時々読んでて苦しくなります。
これは「伊勢物語」とかにも個人的には生じてくる問題で、要するに、室町以前の日本語は現在の日本語と似てはいるけどどうしても大きな距離を持っているという点です。しかし、「伊勢物語」は短編でテーマもシンプル、コツを掴めばなんとか付いていけます。源氏はそうはいかない。
2.どこが猥褻なのかわからない。
源氏物語の歴史は猥本扱いと芸術扱いと両極端のあいだと行ったり来たりの歴史…と、高校の文学好きなら知っていることです。そして思春期真っ只中の高校生なら、猥談を楽しみに読んでみたくなる(笑)。しかし、訳本をめくっても、偉い先生の新書を読んでも、そこらへん、さっぱり分からない。「ここで行為があった」なんて注釈ではさっぱり興奮しない。なんだか立派で神々しい方々が雲の上で戯れているような印象しか受けない説明が多いのです。
要するに、男女の仲において精神的な面しかよく分からない。肉体的な感触を感じない。そういう解説書が多くって不満でした。

さてこの本。
日本語学者の大野氏が現在の日本語と紫式部の日本語感覚を地続きにしてくれます。単に1対1の意味照合ではなく、その語が持つ語感をとても具体的に表してくれてます。それと、その語の平安時代における価値観まで示してくれます(要するに今で言う、関西人にとってのバカとアホの重みの違いのようなものですかね)。それを元に丸谷氏が翻訳してくれる。これで1.の問題で読めないという悩みが少し晴れます。
そして、2.について。上品に性的なことを論ずるのにうってつけの丸谷氏が「ここは実事ありですかね」と尋ねてくる。「きっとそうですよ。ほら、ここの描写がこういうことを意味しているから、激しかった…と」「ほぅ、気付かなかった(笑)」というじめっとしてない雰囲気で話してくれます。それを聞いているとくすりと笑いたくなる。それが、昔この物語を聞いていた女房がこうやって楽しんでいたんだという理解に繋がっていきました。この目線で見ると確かにエロティックになっていくのです。

上巻では光源氏が上り詰めるまで。お二方いわく、未だ紫式部の小説家としての腕が熟練しきる前までの話になります。
個人的には、やはりここまでの式部の文章は読みづらかったです。
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形式:文庫
柔らかな表題に誘われて開いた中身は・・・、
本書は単なる現代語訳&解説書でもないし、まして創作『源氏物語』でもなかった。

まず驚いたのは、全編が国語学者大野晋氏と作家丸谷才一氏の対談だった。気楽な談論風に『源氏物語』が「桐壺」から語られていく。
本書の《光る源氏の物語》という表題の理由は、冒頭で判明する。中世にはそう呼ばれていたそうだ。
そうして『源氏物語』54帖の構造分析や作者紫式部について、古今の論説を示しつつ自論を展開していく。
時には一つの言葉を現代語にする難しさ(例えば敬語の困難)が、作家と国語学者の立場から語られ解かれていく。
また時には物語全体の構造や文脈から、各帖の存在感を浮かび上がらせてみせる。(例えば「帚木」の「雨夜の品定め」は、禁忌のために削除されざるをえなかった藤壺の巻「かかやく日の宮」にかわって、藤壺の存在と光源氏の藤壺への想いが描かれずに語られている等)。

面白いのは、この両大家がこうした核心を突いた談論上で、まじめくさって「ここは実事ありですかね」、「ありでしょう」と性交渉の有無を差し挟む辺り。しかしこれは物語の文脈上、どう見るかで話の見方が変わってくる点でもあるから、笑ってもいられない。

単なる現代語訳では読み流してしまう、また面白さを知らずに終わってしまいそうな所まで、見逃すことができない視点がちりばめられている。
一度『源氏物語』を読んだことのある人も、本書を読めばもう一度源氏を読み直してみずにはいられなくなるはずである。
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