序章で語られる「この(蛍光)タンパク質がニューロンを満たし、レーザー光線で励起されると明るく輝く」といった描写から、研究者たちの想いと行動、反応が素直にイメージできる。そして日本の読者に向けた補足は、門外漢にとってとてもありがたい。
いろいろな分野の研究者たちが、それぞれの目的と目標に向って研究を進める過程で、先人の成果を引用し参考にして研究を進めていく。また、その成果が他の研究者に引用され参考にされて次の成果につながっていく。別々の目的に向っていたようで、いつか人類にとって大きな成果となっていく過程をドキュメンタリーのように展開している。究極まで努力する研究者たちに訪れるセレンディピティのオムニバスのようだ。
そして、何よりも、研究するところも時代も異なる3人の研究者(下村、チャルフィー、チェン博士)が、なぜ一緒にノーベル賞の表彰をされるのか、その理由がリアリティをもって良く理解できた。生物発光について博物学的に語るだけでなく、分野を問わず研究というものの面白さ、楽しさ、そしてスポーツの世界に勝るとも劣らない競争の厳しさも伝わってきた。