● 本書は、大学院生を中心とする若手グループの分担執筆により、ノーベル賞受賞のニュースに合わせて大急ぎで書き上げられたものである。悪くするとヒドい本が出来てしまう条件が揃っているわけだが、本書に限ってその心配は無用だ。
● ノーベル賞以降の著作なので、集めるべき情報は手近な所にあふれていたであろう。しかし、どの章にも、マスメディアで繰り返されて手垢のついたエピソードや文章表現を安易に採用せずに独自の情報収集と表現の工夫にこだわった跡が見られ、オリジナリティーが高くバランスの良い本に仕上がっている。執筆グループの若い熱意を評価したい。
● ただし、GFPが「なぜここまで浸透したのかという理由(P123)」のうち最も重要な点のひとつ「自己触媒作用によるアミノ酸同士の環化により蛍光クロモフォアが形成すること」にほとんど言及されていないのは、唯一の心残りであった。