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光ってみえるもの、あれは (中公文庫)
 
 

光ってみえるもの、あれは (中公文庫) [文庫]

川上 弘美
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商品の説明

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   16才の男子高校生が、奇妙な大人たちに取り囲まれながら、自身も大人へと変容していく過程を描いた青春小説。著者は、独身女性と70代の恩師とのゆるやかな恋情を描いた『センセイの鞄』といった恋愛小説や、非日常なものたちが日常へと侵入する『神様』や『龍宮』などの説話的な物語を得意とする。本書は、一見すると、なまめかしい性愛や、不可思議な怪異などとは無縁に見えるが、独特のユーモアと抒情の中に、川上ワールドともいうべき強固な世界観を見て取ることができる。

   江戸翠(みどり)は、フリーライターの母と祖母との3人暮らし。「ふつう」である翠に少し不満を持つ母を筆頭にして、家族はみな、どこか浮世離れした人々だ。ときどき「翠くんの生き血を吸いたくなるのよね」などと言う祖母。そして、翠の遺伝子上の父親で、ふらりと家にやってくる大鳥さん。一方で、親友の花田は「ものすごくシミシミした感じで」世界に溶けこんでしまう自分が困るという。やがて花田は、セーラー服を着て登校しはじめる。

   著者は、芥川賞受賞作『蛇を踏む』などで、「女に化けた蛇」「くま」といった異形のものたちを違和感なく物語に溶け込ませてきた。本書もまた、翠と花田が、長崎の小値賀(おぢか)島へたどりつくころから、寓話のような色あいを帯びてくる。ただし、本書で異質なものとされるのは、大人や女性といった現実に生きる人間たちだ。彼らに翻弄され、漂うように生きる翠は、著者の作品に共通した主人公像といえる。しかし、無人島の神社に参詣するという通過儀礼を経て、不器用ながらも世界と向きあう決意をした翠の姿には、円熟味を増した著者の新たな物語世界が芽吹いている。(中島正敏) --このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。

出版社/著者からの内容紹介

いつだって〈ふつう〉なのに、なんだか不自由……。生きることへの小さな違和感を抱えた、江戸翠、十六歳の夏。みずみずしい青春と家族の物語。

登録情報

  • 文庫: 362ページ
  • 出版社: 中央公論新社 (2006/10)
  • ISBN-10: 4122047595
  • ISBN-13: 978-4122047594
  • 発売日: 2006/10
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (24件のカスタマーレビュー)
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8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By うろ
形式:文庫
序盤〜前半はいまひとつ作品世界に入り込めず

「おやまぁ 川上弘美作品にしては珍しい」と思っていたら、

中盤を過ぎたあたりから突如、最初の遅れを取り戻すかのよーなものすごい勢いで

引き擦り込みにかかってきた。

あっさり搦め取られてしまい、気づいたら最後の頁だった。

特に夏休みに五島列島(だっけか)を訪れる辺りから、

物語は急転直下のクライマックスへと突き進んでゆく。

といってもやはり川上弘美節、

どこかゆるくてもやもやとしたクライマックスではある。

カテゴリとしては青春物語?川上弘美作品にしては珍しい感じ。

佐藤多佳子の青春モノほど清々しく突き抜けてもいないし、

山田詠美の青春モノほど大人びてもいない、

青春のはずなのにみょーに枯れ木の味わいが感じられる(川上節の真骨頂)、

それでいて「ちゃんと青春している」あたりがなかなか新鮮だった。

主人公は折り目正しくマジメな男の子だけれど、

周りにいたらあんまり面白くないタイプだと思う。

私はむしろ、親友の花田くんがすごくすごく好きだ。

あの一本気で筋が通った感じ、とてもいい。
このレビューは参考になりましたか?
7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By moripu
形式:単行本
川上弘美さん「センセイの鞄」以後久しぶりの長編小説だったのではなでしょうか。
 「センセイの鞄」から一転、主人公が高校生…しかも男ということで、最初は「何故だろう?」と不思議だったのですが徐々にじんわりときましたね。
 

 大人という生き物は、自分が思っているほどには大人じゃないっていうことにまだ気づいていない翠の心情が切ない。そして翠を取り巻く大人達…翠の母、父である大鳥さん、担任のキタガーくんも切ない。

 光ってみえるもの、あれは…。その答えを知るためにも是非読んでみて下さい。

このレビューは参考になりましたか?
5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
著者の小説としてはフツーな感じでぐんぐん読み進めますが、主人公の友人の花田くんに注目すると、それもかなり怪しくなります。全体的に会話は村上春樹のように軽やかに進むので、あの独特の間が好きな人にはかなりいいでしょう。主人公はなぜかほれられる、というのも共通しています。

花田くんのあやしさは読めばわかりますが、主人公と似たもの同士でありながら行動派な彼には好感がもてます。しかも内省的。主人公の彼女が「ただの少女」なのに比べて、この友人には妙に存在感があります。特に後半部分の描写はおもいっきり同性愛的に読めてしまいました。
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投稿日: 2007/8/5 投稿者: kewpie
落ち着かないが、ちょっとうらやましい
母親と大鳥さん、また母親の現恋人など、主人公をとりまく大人達は存在感があるのに、行動はあやふやで読んでて落ち着かない。でもそれほどイヤな感じはなく、後半の、花田と... 続きを読む
投稿日: 2006/11/19 投稿者: Akiyuki
きらきら輝く♪
いろんなこと経験したい、いろんなことを知りたい、ちょっぴり背伸びして、大人の世界をのぞきたい。16歳は、大人と子供のはざまの年齢だ。翠は、いろいろなことを聞き、い... 続きを読む
投稿日: 2005/5/14 投稿者: ゆこりん
既読で、川上弘美さんのファンなら、このレビューを読まない方が
まず、ぬるい。
「葛藤」をひとつの重要なテーマにおいているにも関わらず、... 続きを読む
投稿日: 2004/10/4
切なくなる一冊
話の内容自体は、どこにもある、一人の高校生がいろんな経験をしながら、色々と悩みながら、大人へと成長していく過程。ありきたりの話のはずなのに、なぜか涙腺が刺激されて... 続きを読む
投稿日: 2004/7/30 投稿者: "のんちゃん14号"
川上弘美の高校生男子に違和感が
青春小説?
成長?
前半はまだ大丈夫だけど、除々に高校生が高校生に見えない
なんか40代のおじさんみたい... 続きを読む
投稿日: 2004/5/26 投稿者: naonao-703
そりが合う?「普通」
人間関係で成り立つ社会。そこには、「そりが合う」人もいるし、合わない人もいる。それだけでなく、「普通」(主人公の翠くんは「普通」の範疇が広い、それって多様な価値観... 続きを読む
投稿日: 2004/3/24 投稿者: gidoo
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