iPS細胞に関する記事は4つ。通常の動物細胞でもリプログラミング可能な理由や原理や応用範囲、さらには乗り越えなければならない課題。DNA にメチル基が覆いとなっているというエピジェネティクスの説明や、メチル基異常とガンの関連について。日本の研究規制が、マウスの研究のみが盛んという状 況を生んできたという指摘もある。
現代の再生医療は皮膚のような2次元的なものについては格段に進歩したが、臓器のような3次元構造のものはまだ難しい。2章では、人の手足をサンショウウオのように再生する研究、豚と人の遺伝子を用いてのちに豚細胞だけをアポトーシスさせることで拒絶反応を抑えた臓器を作る試み、工学材料を用いたヒト組織の再生を扱っている。
3章では、既に乳がん治療で実用化が始まっている、腫瘍タンパク質を狙い撃ちする分子標的治療の話が興味深い。また、抗がん剤を届きにくくしてさらにはガン転移の一因にもなっていた血管の腫瘍化を修復する研究も出てくる。
後半の2つの章の中では、DNAワクチンとDNA治療薬の解説がまずおススメ。分子インプリンティングは医療以外の分野でも使えそうだ。小型のジャイロスコープの動きを電気信号にして神経に流す人工内耳。錠剤のように飲み込んで使うカプセル型内視鏡をはじめとする複合型カプセルロボットの紹介もある。