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充たされざる者〈下〉
 
 

充たされざる者〈下〉 [単行本]

カズオ イシグロ , Kazuo Ishiguro , 古賀林 幸
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内容説明

The Unconsoled is at once a gripping psychological mystery, a wicked satire of the cult of art, and a poignant character study of a man whose public life has accelerated beyond his control. The setting is a nameless Central European city where Ryder, a renowned pianist, has come to give the most important performance of his life. Instead, he finds himself diverted on a series of cryptic and infuriating errands that nevertheless provide him with vital clues to his own past. In The Unconsoled Ishiguro creates a work that is itself a virtuoso performance, strange, haunting, and resonant with humanity and wit.

"A work of great interest and originality.... Ishiguro has mapped out an aesthetic territory that is all his own...frankly fantastic [and] fiercer and funnier than before."--The New Yorker --このテキストは、 ペーパーバック 版に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

心をかきむしられる既視感、薄明の記憶の底から揺らぎ現れる人物や風景。夢魔に魅入られたような状況のなかで、ついに「町」の蘇生をかけた「木曜の夕べ」が開幕する。ライダーと市民は危機を克服できるのか。世界の読書界を騒然とさせた野心作は思いもかけない結末へとむかう。イシグロが同時代におくる渾身のメッセージ。

登録情報

  • 単行本: 366ページ
  • 出版社: 中央公論社 (1997/07)
  • ISBN-10: 4120027058
  • ISBN-13: 978-4120027055
  • 発売日: 1997/07
  • 商品の寸法: 20.2 x 13.8 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 723,924位 (本のベストセラーを見る)
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19 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
作家的悪意 2006/6/6
By デルスー トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
形式:単行本
ブッカー賞を受賞し、映画化もされた『日の名残り』に続く、
日系イギリス人作家カズオ・イシグロの長編第四作。

デビュー作と二作目では、戦後間もない時期の日本を舞台に、
価値観の転変に適応できずに苦しむ人々の姿を丁寧に描き、
三作目となる『日の名残り』では、一転して舞台を英国に取り、
英国人以上の緻密さで執事の人生を描いてみせたイシグロ。

その彼が次の作品の舞台に選んだのは、
場所はもうひとつはっきりしないが中欧のどこかではあるらしい、
芸術熱の盛んな中小都市であり、
主人公のピアニスト、ライダーはそのキャリアの節目となるような
重要なコンサートを目的にこの街を訪れることになる。

冒頭、ホテルのエレベータに乗る場面で、
ライダーの荷物を手にする初老のボーイ、グスタフが、
自らに課した職業上の倫理を口にし始めるところで、
読者の誰もが思わず微笑みを浮かべずにはいられないのだが、
そんな読者をよそに思わぬ方向へと逸れ始めたストーリーは、
もはや正統的な純文学の枠組みに復帰することはなく、
逸脱に次ぐ逸脱を重ねたかと思うと、
何とも寝覚めの悪い悪夢の連続のような世界を紡ぎ出していく。

あれほどの成功を収めた『日の名残り』の次に、
失敗作と呼ばれることを恐れるどころか、
読者の期待を絶対に裏切ってやろうと言わんばかりの
変化球の極みのようなこの作品を持ってくるあたりに、
イシグロの作家的悪意を感じ、なぜか嬉しくなってしまった。
このレビューは参考になりましたか?
20 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:ペーパーバック
長くて、わけが分からない。高名なピアニストがある街を訪れ、公演の前の数日をその街の正体不明で極めててわがままな人達に振り回されながら過ごす、というお話。相当のイシグロ通じゃないと読み通すことは出来ないんじゃないか、という気がします。でも私はこの作品が一番好き。

彼の作品の主人公はほとんどが、それがどのような職業であれ、自分の仕事については相当に完成度の高いプロフェッショナルなのですが、それでいて内面的にはある矛盾を抱えていて、しかもそれに対してのアプローチがお茶目と言うか幼いと言うかちょっと変な人物、というのばかりです。その一番極端な例がこの作品の中のピアノの先生でしょう。だから面白いんですよね。
抑制の効いた、冷静で知的な語り口が売り物のイシグロさんが、とうとうその箍を外して好きなように書いちゃいました、って感じがして、嬉しかったです。それでいて感じ入ったり、思わず考え込んでしまうような部分もたくさん。イシグロ初心者には向かないかも知れませんが、イシグロ通になりたいなら、しっかりと読破して味わって見るべきです。

このレビューは参考になりましたか?
5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
イシグロは寝てる時に見るおかしな夢をそのまま表現できるすばらしい作家だと思う
ストーリーそれ自体より、この幻想的な悪夢を見ているような感覚に嵌ってしまいます
「わたしたちが孤児だったころ」もそうですが、読者までもこの迷宮に巻き込んでしまい、危ない。
うまく表現できないが、とにかくヤバいな。これから読む人は気をつけた方がいいぞ
そして訳者泣かせですね。この世界観を損なわずにうまく表現するのは結構大変な仕事だと思った
このレビューは参考になりましたか?

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