1988年に公開されました。宮本輝原作の「優駿」をもとに、北海道の馬産地で誕生した仔馬がダービー馬にまで成長する過程と、厩舎や馬主などをの周辺の人間ドラマが描かれています。生産牧場の息子として緒形直人さん、生産主として緒形拳さん、調教師として田中邦衛さん、馬主として仲代達矢さん、その娘として斉藤由貴さんなど、結構出演陣としては豪華です。また、ちょい役として当時の現役騎手、加藤和弘騎手や東信二騎手も出演しています。
物語としてはある種のサクセスストーリーで予定調和的な感動を味わえるのですが、何故だか安易に感じられるのはどうしてなのでしょうか?考えてみれば、この映画は当時のフジテレビが盛んに打ち出していた映画路線(南極物語などの動物シリーズですね)の一環でして、テレビの演出をそのまま映画に移植しただけの安易なつくりだからではないでしょうか。特にいちばん盛り上がるべき府中競馬場でのレースの描写は、競馬が本来もっているダイナミズムがまったく伝わって来ず、拍子抜けしてしまいます。まるで炭酸がまったく抜けたサイダーを飲まされた気分です。
原作もよし、俳優陣もよし、なのにこの感覚は、ひとえに監督の責任、演出の稚拙さによるものです。フジテレビも大いに反省するべきですよね。「映画を甘く見るなよ」という感じです。