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39 人中、37人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
帯に偽りあり。しかし、驚きに満ちたすばらしい短編集,
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レビュー対象商品: 儚い羊たちの祝宴 (単行本)
腰巻きには「あらゆる予想は、最後の最後で覆される。ラスト1行の衝撃にこだわり抜いた、暗黒連作ミステリ」とあり、ランキング本などでもそのように解説されていますが、率直に言ってそうではありません。こうした惹句どおりの衝撃を求めるなら、佐野洋の短編集の方が遙かに驚きに満ちています。「あらゆる予想は、最後の最後で覆される」という惹句は、この短編集の持つ凄みをきちんと表していません。収録された5編には、確かに「ラスト1行の衝撃」がありますが、それは読者の予想を覆す、とかではなく、見る気もなかったグロテスクな美術品を、気がついたら凝視していたような、そんな衝撃です。5編の短編は、いずれも基本的に若い女性の一人称で語られます。女性は、裕福な家庭に暮らす令嬢、あるいはそうした家庭に使える使用人です。そして、明にあるいは暗に、殺人が関わってきます。これらの殺人にも共通点があります。殺人とは、いうまでもなく人が人を殺す行為ですが「儚い羊たちの祝宴」の5編で描かれる人を殺すという行為には、悪意や恨み、後悔といった感情が一切伴っていません。その歪みっぷりの怖さが、最後の1行で最大化される巧さが、5編に共通しています。高所恐怖は、上空1万メートルよりも地上数十メートルの方が大きかったりしますが、人間性の歪みとそこに起因する怖さというものも、まったく理解不能な行動よりも、常識的な感情からわずかに、しかし画然とずれてしまっている心理をつきつけられる方が衝撃的だということでしょう。
13 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
センスの良さを感じました。,
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レビュー対象商品: 儚い羊たちの祝宴 (単行本)
初読の作家さんで、どんな作風かも全く知らずに手に取ったのですが。これがあたり!でした。 タイトルや装丁も素敵ですが、もちろん中身がすごい。 若いのに風格のある文章だなというのが第一印象です。 一気に読みました。 5短編からなる本作。 ”バベルの会”という学生サークルが、少しずつお話に絡んでいて、 最後に表題作の「儚い羊たちの晩餐」で、 その会についての種明かしがされるという作りです。 どの作品の主人公も、普通に社会生活を送っているまっとうな人たちなのですが、 ふとしたところでたがが外れ、あやうい場所に足を踏み入れてしまいます。 恐ろしいことですが、私にも理解ができてしまったところが、 この作品の完成度を物語っていると思います。 特に4作目の「玉野五十鈴の誉れ」は面白く読みました。 伏線が最後に活きて、よくできてる!と思わず唸りました。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
秀作ミステリーです,
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レビュー対象商品: 儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫) (文庫)
「玉野五十鈴の誉れ」が素晴らしい。方々に散らばらせた伏線をかくも丁寧に回収したものだと感嘆させられる。 ネタバレになりますが、家族を火事で失った五十鈴があのような行動に出たのは、凄まじい怨念のなせるわざでしょう。 主人公を救うためであったとは考えにくく、やはり彼女は自らの「誉れ」を守るためにあのような行動に出たのだと思います。 その結果、純香を救うこととなった数奇な運命には驚きと言うより感動すら禁じ得えません。 これを巻末の解説にあるように「黒い笑い」と解釈するのは恐らく読み間違えでしょう。 表題に沿って、五十鈴の誉れ、プライドをかけた復讐ととるのが自然な読解なのではないかと思います。 驚きで言えば、最初の1作目ということもあり「身内に不幸がありまして」も強烈。 本作の心地よい「裏切られ感」に浸る事が出来れば、この短編集全てを楽しむ事が出来ると思います。 ということで★4つです。
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