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儒教とは何か (中公新書)
 
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儒教とは何か (中公新書) [新書]

加地 伸行
5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

儒教には、四角四面の礼教性の強い倫理道徳であり、しかも古い家族制度を支える封建的思想という暗いイメージが色濃くつきまとっている。しかし、儒教の本質は死と結びついた宗教であり、それは日本人の生活の中に深く根を下ろしている。第二次大戦後進められた個人主義化により、さまざまな歪みと弊害とを露呈させている今日、〈人間の心〉を問題とする儒教の根本を問い直し、その歴史をたどりながら、現代との関わりを考える。

登録情報

  • 新書: 267ページ
  • 出版社: 中央公論社 (1990/10)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4121009894
  • ISBN-13: 978-4121009890
  • 発売日: 1990/10
  • 商品の寸法: 17.2 x 11 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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形式:新書
本書は儒教とは何かという問いを通して、中国、朝鮮、日本を儒教文化圏として捉えた東北アジアの文明論である。儒教の歴史変遷を眺めつつ、儒教とは宗教性、礼教性とから成り立っているのであるということを丁寧に説明する。特にその孝との概念を交えた宗教性の説明は興味深い。経学時代には仏教・道教両者がともに宇宙論・形而上学(存在論)を持つのに対し、儒教(経学)には十分でないという弱点があったところに、朱子学が哲学性を補う役目を担ったという説明も面白かった。

どんな本でも読者が予めもっている知識によって得るものが違う。何も知らない人間が本を読んで得る新情報の量は大きいが、研究者のようにその情報の質を吟味することはできない。私は儒教といえば「何だかわからないけど『忠・孝・礼・義』だの封建的で古臭い教え」という程度の知識しか持ち合わせていなかったので、本書で得た情報量は大変大きかった。しかし、著者が批判の矛先を向ける他の学者に対する意見が妥当なものなのかどうなのかは私のような入門者には判断がつきかねる。

しかし、何といっても風土的に酷烈な「生きていること自身が苦しみである」ということから出発する南アジア発生の仏教や、砂漠に覆われた西アジア発生の「原罪を持ち救世主を求める」ユダヤ教、キリスト教、イスラム教などのとは違って、儒教は冒頭からして「亦た楽しからずや」と、この世は楽しい楽しいとする儒教という捉え方は、私の従来の儒教のイメージを根底から覆した。「孝=生命の永続性」との概念も新鮮だった。また漢字は物を写すというその性質上、まず物ありきという形而下的世界に中国人の関心は向くため、中国人は現実的で即物的で五官(五感)を最優先にするため、この世は楽しいのだ、という説明にはただ驚くばかりだった。アジアを理解するにははずせない一冊。
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36 人中、29人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
 「宗教とは死ならびに死後の説明者である」と定義したうえで,著者は儒教の本質は,「孝」概念,すなわち先祖から子孫へとつながる生命の一体性および永遠性という生命論を基盤とした宗教であり,そうした生命論=宗教に基づく家族論,さらに家族論に立脚する政治論であることを説明する。

 その上で,仏教,キリスト教さらには道教などと比較したうえで,儒教の優越性を力説する。仏教や道教に対しては,それが個人主義的かつ内面的で,家族論や政治論をもたないこと,キリスト教に対しては,風土的に,東アジアでは,本来過酷な風土にこそ適合する一神教は受け入れられないと,主張する。

 しかし,著者の仏教はその宗教の定義からして,「輪廻という生命論を主張するもの」としてのみ捉えられ,またキリスト教については「絶対神への従属とその恩恵への依存」という以上の理解がない。しかし,仏教は本来,輪廻を主張せず,その根幹は「縁起」にあり,キリスト教の鍵概念は「無差別の隣人愛」に他ならない(著者のキリスト教はじつはユダヤ教にすぎない)。

 儒教についての記述は興味深いものの,他宗教との比較思想については,あまりに浅はかな贔屓の引き倒しである。浅野裕一「儒教 ルサンチマンの宗教」と併せて読むと興味深いだろう。
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11 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
(1)儒教の本質を「死」に対する本能的な拒否感から考えるってのは良くわかりました。「死んだら実体としてはおしまい」ってのが本能的に怖い、出来ればいつまでも何らかの形で生きる=存在を現実の世界に残したいという、本能的な欲望から祖先を敬う=「孝行」が生まれたという説明は良くわかりました。

(2)「斜めから読んでも面白い」ってのは、儒教が孔子によって整備され、それが後々に国教となっていく過程で、それこそあっちこっちの学者のような売名のためか体制に都合良くいじくっていく様子も端々に記載されていたからです。そんな歴史を知らずに教条的に昔のことを信奉するってのがとっても危険だと思い知らされました。
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