中学校の体育の先生をしていた星野富弘さんは、クラブの指導中に頚椎を損傷し、首から下の自由をまったく失い、口に筆を加えて詩と花の絵を画くようになった。
群馬県東村の「富弘美術館」には、毎年何十万人という人が訪れ、その絵から、詩から、生きる勇気を貰っている。
その富弘さんがテレビに出演された折に、司会者から「以前の、健常者だった時に戻りたいんじゃないですか?」と意地悪な質問をされ、笑顔で「そう何度思ったかしれませんが、今は、この状態が最高なんです」と答えていたのを鮮明に覚えている。
この本の著者坂井正人さんも「あとがき」の中で、
「がんになったばかりの頃の僕は、もし人生を好きな時点にまで戻ってやり直すことができるならば、がんにならずに違う人生をやり直したいと夢見ていた。だが、今は違う。たとえそうだとしても、もう一度がんになって、障害者として、今の大好きな仲間たちと、今携わっているこのビジネスをやっていきたい。心からそう思っている」
と書いている。
まさに『「がん」がくれた贈り物』。
近頃久しくこんなに熱い勇気を貰える本に出会えなかった。
坂井正人さん、ありがとう!