ビジネス書としては、まっとうだ。
グローバル化しているビジネスの分野で
サバイブしていくことをゲリラ戦に例え、
いかに経済的に死なずに(=コモデティ化。人材として差異を生み出せず買い叩かれる状態。つまり薄月給化)
やっていくかを説いている。
専門的な難しい話も出てこないので、高校生でも読み通せるレベル。
ただ本書を読んで一番気持ちがアガるのは、
数年の社会経験を積みつつも、日々の業務に不満や違和感を感じている
20代のビジネスマンだと思う。
ノウハウ物より、
ひとつ上の目線で書かれているので、鼻につく人もいるかもしれない。
例えば、英語、IT、会計についての認識。
普通のビジネス書にはこれから必須のスキルとあるが、
本書では「奴隷の道具」だと切り捨てている。
つまり、それらは人に使われるためのスキルで、
人を使うためのスキルではない、ということだ。
ある意味、痛快。私自身も一気に読んでしまった。
ただ物足りない部分もある。
古典や哲学などリベラルアーツの重要性を説いているが、その記述が薄い。
身もふたもない言い方をすれば、
長期的に給料を上げていくための思考法が本書の要旨。
リベラルアーツは所得の如何に関わらず、
人生を充実させていくためのものでもある。
経済的に成功するためだけにリベラルアーツを使うと
考えているならあまりにも認識が浅い。
本書を読んでも、著者が言うゲリラ戦で勝ち残れる若者はほんの僅かだろう。
9割の人材は、他者と入れ替え可能な存在だ。
こき使われたあげくにリストラされる。
そんな時にこそ役立つのが、リベラルアーツだと思うのだ。
人生とは何か。どう生きるべきか。
立ち止まって考え、書物と対話する。それが傷を癒す薬となると思う。
本書を読み終え奮起した若者は、ぜひ古典や哲学書を読んでほしい。
そして、リベラルアーツという薬を手に入れてからゲリラ戦に臨んでほしいと思う。