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196 人中、177人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
高学歴ワーキングプアにならないために,
By RintaroSonden (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 僕は君たちに武器を配りたい (単行本)
本書で提案されている資本主義社会における6つのタイプ。トレーダー エキスパート マーケター イノベーター リーダー インベスター 技術や情報などあらゆる局面においてコモディティ化が進む現代資本主義社会では、トレーダーとエキスパートでは生き残れないと著者は言う。各タイプの詳細やなぜトレーダーとエキスパートでは生き残れないのかは、本書を読めばわかる。 この6つのタイプは個人にも当てはまるし、企業にもあてはまる。あるいは、ふだんの仕事や日常での行動の際にも、自分がいまやっていることは6つのうちのどれに当てはまるのか、と考えることができる。 そういう意味で、この6つの分類は、非常に役に立つ。 自分の会社や自分の仕事の本当の役割を、日々のなかで明確に意識しながら働いている人はどのくらいいるだろうか? もし自分の仕事がトレーダーやエキスパートであり、今後その役割は相対的に小さくなっていき、あるいは不要になると言われたらどう思うだろうか。 * * * この本を読みながら思ったのは、ある程度優秀な(東大や京大の人たちや、医師免許や司法試験に合格できる程度の頭の良さ)人たちにはたいへん有効な本だと思った。高学歴のワーキングプアにならないための処方箋である。 この本を読みながら、本当にイヤになってきた。著者が「武器を配っている」のは京大の学生であり、その程度の優秀さを備えた人たちに、なのだ。最近の若者を見てて思う「そつのなさ」。それに磨きをかけるにはもってこいの本。勉強もできて、自分の売り出し方も「わかっている」感じ。ガリ勉だけでなく学生起業もしちゃうような「そつのなさ」のことだ。 本書はすごくわかりやすく、おもしろいし、現代日本を生きるのに有益な考え方を提供していると思う。が、結局は優秀な人に武器を配り、「どうしようもないやつら=カモ」との武力格差をさらに広げることに寄与することだろう。
28 人中、26人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
リベラルアーツという薬を手にいれろ,
By
レビュー対象商品: 僕は君たちに武器を配りたい (単行本)
ビジネス書としては、まっとうだ。グローバル化しているビジネスの分野で サバイブしていくことをゲリラ戦に例え、 いかに経済的に死なずに(=コモデティ化。人材として差異を生み出せず買い叩かれる状態。つまり薄月給化) やっていくかを説いている。 専門的な難しい話も出てこないので、高校生でも読み通せるレベル。 ただ本書を読んで一番気持ちがアガるのは、 数年の社会経験を積みつつも、日々の業務に不満や違和感を感じている 20代のビジネスマンだと思う。 ノウハウ物より、 ひとつ上の目線で書かれているので、鼻につく人もいるかもしれない。 例えば、英語、IT、会計についての認識。 普通のビジネス書にはこれから必須のスキルとあるが、 本書では「奴隷の道具」だと切り捨てている。 つまり、それらは人に使われるためのスキルで、 人を使うためのスキルではない、ということだ。 ある意味、痛快。私自身も一気に読んでしまった。 ただ物足りない部分もある。 古典や哲学などリベラルアーツの重要性を説いているが、その記述が薄い。 身もふたもない言い方をすれば、 長期的に給料を上げていくための思考法が本書の要旨。 リベラルアーツは所得の如何に関わらず、 人生を充実させていくためのものでもある。 経済的に成功するためだけにリベラルアーツを使うと 考えているならあまりにも認識が浅い。 本書を読んでも、著者が言うゲリラ戦で勝ち残れる若者はほんの僅かだろう。 9割の人材は、他者と入れ替え可能な存在だ。 こき使われたあげくにリストラされる。 そんな時にこそ役立つのが、リベラルアーツだと思うのだ。 人生とは何か。どう生きるべきか。 立ち止まって考え、書物と対話する。それが傷を癒す薬となると思う。 本書を読み終え奮起した若者は、ぜひ古典や哲学書を読んでほしい。 そして、リベラルアーツという薬を手に入れてからゲリラ戦に臨んでほしいと思う。
21 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
「やるな」と書いてあることは参考になる,
By
レビュー対象商品: 僕は君たちに武器を配りたい (単行本)
インターネットの出現、進むグローバル化。世界が全部つながってしまったので、局所的な差異は平均化された全体に吸収されてしまい、どんな労働も最終的にはコモデティ化する。そこでどうやって生き残るか、という話。ようするに、村で一番だった子が県内では100番になって、日本全体では1000番にも入れなくて、世界ではプライド(コスト)だけ高い中の上の人なる……といった事態があらゆる職種で起こっているから、従来の「エリートコース」にのっても意味がない、じゃあどうしたらいいのか、おしえてあげよう、というわけだ。著者が京都大学で教えていることを考えると、まだかろうじてコモデティ化していないと思われている職に就ける、あるいは競争力のある企業に入れる可能性の高いレベルの若者たちに向けた「君たち、勘違いするな、油断するな」という警告として書いのだろう。でも結論が「ナンバーワンになってもそこに居続けることが困難な時代だから、オンリーワンになれ」というのはどうなんだろう。「もともと特別な」オンリーワンは、じつはナンバーワンよりなるのはむずかしい。このあたり、言っていることはわかるが、それって結局……という、橘玲さんの『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』を読んだときと似た感想を持った。本書ではむしろ「○○せよ」という部分より「○○するな」という部分のほうが実際は役に立つと思う。たとえば避けるべきリスクとして、現役学生の起業、専業主婦志向、人気企業志望、日経新聞信仰などを挙げているのは、きわめて現実的なアドバイスだろう。また、第4章の「儲かる漁師と、儲からない漁師」のアナロジーは面白い。トレーダー、エキスパート、マーケター、イノベーター、リーダー、インベスター、のうち、トレーダーとエキスパートの将来は明るくなく、生き残りたければのこりの4つの顔を使い分けろ、という。ただこれって「優秀なビジネスマン」ならいつの時代もやってきたことであり、特段いまだから必要なスキル、というわけでもないのでは。 本書では、資本主義のいいわるいは問わない。それ自体は前提としたうえで、「どうすればより良い職場環境で働くことができ、継続的に高い報酬が得られるのか」を書いている。働きがいとか、働く意味についも深くは語っていない。しかし人間は老いる。ゲリラ戦をいつまでも戦える体力があるわけでもない。なんのために働くか、最終的にどこに着地したいのか、戦術や戦略とともに思想への需要もますます高まっていくのではないだろうか。本書の結びの部分で「リベラル・アーツ」の重要性が語られているのはそういうことだろう。
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