破壊力抜群の面白さは今回も健在である。そして、もし作者が意図的に行ったならば「お見事」と唸ってしまうニクい構成が今回見られる。まずは前巻でチラ見せだったキャラ達が正式に入部した訳だが、いわゆる残念なダメ人間という同じ系統ながらどこか少しずつズレた属性を持っていることで会話、とりわけボケやツッコミに幅と深みが出ている。そして、この新加入組のそれぞれに活躍の場を与えることで友人部の構成そのものにも幅と深みを持たせている。口は悪いが純真なおバカゆえに夜空から好いように弄ばれる幼女シスター【マリア】の真っ直ぐな言動や小鷹への懐き振りも良かったし、予想以上にブラコンだった【小鳩】が素に戻った時の可愛らしさもかなりの威力だった。この2人の小学生以下な口喧嘩も楽しい。そして何より【理科】の凄まじい腐女子っぷりが後半に大爆発する。“理科室”の由来も可笑しかったが、ここで素晴らしいのは、本来なら理科が入部した時点で判明しても良さそうな幸村の素性をあえてスルーして、この後半のあまりにもナイスな話題の時に絡めていることである。この巧みな構成によって理科の大暴走がより鮮明になり、マニアック過ぎて誰もついていけない爆笑BL物語が紡がれることになる。また、この3人が揃って小鷹ラヴに向かっていることもポイント。まぁ、お子ちゃまに腐女子なマッドサイエンティストなので小鷹も全く相手にしていないのだか、何気にこれを気にする夜空と星奈がいたりして思わぬ小鷹ハーレムが形成されているのが面白い(腐女子ばかりだが)。終盤に炸裂した夜空の超絶ドS振りも見事で、読み終えてみれば全体を通してみんなに登場の機会と多様な爆笑ネタを振り分ける手腕に舌を巻いた。作者の中では早くも各キャラが独り歩きしている感じなので、ネタの枯渇とマンネリ化にだけ気を付けてどこまでも続けて欲しいシリーズになったと思う。