人材の流動化が進んでいるとはいえ、これほどの転職歴を持つ人は、まだ少ないだろう。しかも、日本企業も外資系企業も、はたまた企業の倒産までも経験し、単独での転職もあればグループ単位の企画持ち込み転職もあり、情報を得た方法も新聞公募やヘッドハンティングと、あらゆるパターンを経験してきた著者である。その履歴や職業観を通して、会社と自分との距離を見直すことができるに違いない。
また、著者は「多重転職者のハンディキャップ」についても公平な目で描いている。「精神的な拠り所は、自分の『仕事』に対するプライドということになり、会社へのプライドと自分のプライドは完全には重ならない」と書いているとおり、転職を多く繰り返した人ほど、会社と対等な立場で自分という商品をとらえる必要がある。自分の商品価値を高めるために転職を活用してきた著者の考え方から学ぶべきことは多い。また、各章の終わりに転職の心得がまとめられている。実際の転職者でなければ気づかないポイントが網羅されており、参考になる。
著者の目を通し、飾りなく描かれた大手の日本企業や外資系企業の様子は、野次馬気分で読んでもおもしろい。さまざまな企業文化を疑似体験しながら、自由に働く魅力を認識することができるだろう。(朝倉真弓)
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11 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
転職前の頭の整理になる本,
By 天舟 (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 僕はこうやって11回転職に成功した (単行本)
筆者は東京大学卒、三菱商事出身の資金運用のプロとして、数々の企業を渡り歩いてきた人物です。 他の評者も指摘している通り、この著者はサラリーマンとしては、 一流の学歴と経歴を持った方。 このため、社会的評価の高いキャリアを持たない者にとって、 彼が語る転職に成功するための具体的な方法は、ほとんど参考になりません。 (ヘッドハンターの利用法、給与の交渉法など色々な面で) けれども、頭が抜群によく常に冷静な方の転職観は、 私自身の転職に対する意識、考え方の整理と、 転職後のスタンスを確立するのに非常に役立ちました。 世間の価値観は、転職者にネガティブなイメージを与えがちです。 そんな価値観に押し潰されないためにも、筆者の楽天的な態度に接してください。 それに、いくら高いキャリアの持ち主とはいえ、11回の転職は多すぎます。 さすがの学歴も、そろそろ期限切れでしょう。 それでも筆者の収入は、いくら転職を重ねようと、極端に大きく下降しません。 (もちろん、特別な能力あってのことですが) 転職について真剣に悩んでいるサラリーマンにとって、読んで損の無い本 だと思います。
20 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
万人向けではないが..,
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レビュー対象商品: 僕はこうやって11回転職に成功した (単行本)
「一流金融機関を渡り歩いた秀才の武勇伝」ですので、万人向けではないかもしれません。(1)大手金融機関と接点がない人、(2)著者よりも年配の人、(3)学歴コンプレックスが強い人にとっては、著者がかなりヤな奴に映る可能性があります。個人的には、非常におもしろかったです。いやはや、本当の秀才というのは自分の才能におぼれず、これほどまでに勉強しつづけるものなのだなぁ、と関心させられました。内部告発のくだりについては評価が分かれるかもしれませんが、私にはピュアなプロ意識の表れとしか思えませんでした。
38 人中、31人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
サラリーマンより評論家か大学教授に向いているのでは?,
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レビュー対象商品: 僕はこうやって11回転職に成功した (単行本)
前半は面白かった。後半は不愉快だった。著者は4回目の転職までは、各部署で実績を上げ、前向きな転職をしてきたと思う。しかし5回目から11回目の転職は、専門外の仕事(セールス等)のせいもあり、また在籍期間が1年未満の場合も多く、着任後から次の転職活動まで6-8ヶ月間しかなく、全く成果を上げていない。5回目以降の転職理由は、上司間の不和や仕事が合わない等で、前向きなものなない。果たしてこれは成功と言えるものなのか?確かに収入面では凡庸な人が望むべくもない高収入を得ているが、その報酬に対して、著者は一体何をしたか記述はほとんどなく、正義漢的な発言が随所にある割には、評論家的に距離を置いて会社や同僚を非難するだけで、問題点に関与し自ら手を汚して問題解決をしていない。 結局、筆者の転職を可能にしたのは副業としての文筆業によるネームバリューであって、筆者を抱えることになる会社の名前が広告されるメリットがあるからと思う。
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