著者は、2005年に末期のスキルス胃がんと診断され、余命半年
と告知される。そして、この本の執筆の時点で、それから3年以上
も闘病生活を続けておられる。
本書は、この病名を知らされてからの著者の思いや考え、そして
治療法などを綴ったエッセイである。著者もまえがきで述べて
おられるが、がん治療の科学的なノウハウ本ではない。あくまで、
著者が経験してきた治療法や調べてきた治療法を、ユーモアを
交えながら綴った本である。
文調は、驚くほど明るく軽い。時折、やや不謹慎な表現も出てくるが、
果たして、余命半年と宣告されて、ここまで前向きに明るく辛い治療
に向き合って、自らの置かれた状況を「吹き飛ばす」かのように
文を書くことができるだろうか。
日本人の約3人に1人はがんで亡くなるという。日本中に、多くの
方ががんと闘い、多くのご家族の方ががん患者を看病されている
ことであろう。この本は、特にそういった方たちに、明るい風を
吹き込んでくれるだろう。