登録情報
|
特に奇跡的に残された神社の鳥居にこだわって書かれているようだが、日常に埋没した生活を送っている私のような一般人に、樺太、台湾、旧満州帝国、南北朝鮮、南洋諸島の「今」を伝えてくれる価値のある本だと思われる。
もし著者が本書を企画するのが、もう10年、遅かったら、おそらく本書に書かれている、70代以上の日本語を話せる現地に暮らしている人々(日本人、現地人の区別無く)はこの世にいないだろう。
だからの著者が聞き出した彼らのエピソードは永遠に知り得なかったに違いない。
そういった意味では、戦争という時代の生き証人たちからインタビューができたことは、ラストチャンスではなかろうか。
そういう意味では非常に価値がある本だといえる。
戦争賛美でも、何が何でも反対という強烈な思想を持たない我々戦後世代の日本人に、あらためて日本のしてきたことを思い知らされる。
蛇足ながら、文体が沢木耕太郎「深夜特急」に似ているのは、カバーの裏にかかれているとおり著者もバスでアジア、ヨーロッパを見て歩いた経験があるからだろう。
それは本書の価値を下げるものではないのだが、グァムなどで安易に海外旅行を楽しんで帰ってくるというバカンス旅行しかしない人たちには少し考えさせられる良い機会となるだろう。
|
|
|