行政書士開業本を書く人というのは、行政書士業務そのものから離れていく人が多い気がします。
この本の著者もある意味そうかなぁと思います。
前半は広告などにがんばった著者の体験が綴られますが、オリジナリティが出てくるのは後半です。
正直、著者がどうしてこんなに危険がある業務をしてまで依頼人を守ろうとするのか、著者が語る「依頼人へのホスピタリティ」だけではわかりませんでした。でも著者の人生を左右するある出来事が書かれているところまで読んで、どうしてそこまでこだわるのかが分かりました。
他人が「どうしてそこまでやるの?」と思うような仕事をやり遂げるには、やはりその人なりの人生の道のりを伴った決意があってこそなのだと思います。
著者が今の仕事をするにあたっては、行政書士が入り口となっていて、かつ行政書士業務が付随することもあるのでしょうが、著者の仕事は行政書士業務というよりもむしろセキュリティ産業の一つだと思います。
ここまでくれば、著者本人は登録抹消して、行政書士を別に雇うという形式でも別にかまわない気がします。
ただ、この本を読んで、ストーカー被害に関する行政のあり方とそれを埋める民間のサービスというものについて考えてしまいました。実際に被害がないと動かない警察、被害があっては遅すぎるとできる限りのサービスを考えて体制を整えて実行する著者。こうであるのが当たり前でいいのか?と社会的な見地からは疑問に思います。
また、戸籍謄本・抄本をとる業務を行うことについては、行政書士会から注意喚起がされていることであり、単に依頼人の利便性を追求して行うことはできないと思います。他の行政書士にと依頼人として相談してみたところ「相続事案としてまとめてなら引き受けるが戸籍取得単独としてはできない」と断られたというのについては、その行政書士が融通が利かない・顧客のニーズをつかんでいないからとは言えず、私もその通りだと思います。法で定められているが上に与えられている職権なので、そこはビジネスとは言えもっと神経質になるべきではと思います。