著者の本は初めて読みました。やはりタイトルに惹かれたので。
どの登場人物もたいして魅力はありませんし、引用が多くて読んでいて疲れます。でも主人公がその傲慢である意味不器用すぎる生き方に、自分でもおそらく嫌気がさしながらも、絶対に自分を世の中や他人に迎合させることができない様子が、私にはリアルで胸が痛くなりました。
主人公に思考や言動がそっくりな青年を知っています。彼はしかしうつ病と診断され何度か自殺未遂もしています。
身近に実際に生と死に苦悩する人間がいる、あるいは自分自身がそうであるというひとには、共感あるいは理解はできる内容だと思います。しかし自身を代弁してくれるていると安堵するか、やはり救いはないと絶望するか…ある意味危険な小説だと思います。結局は思考の迷路に入り込むだけ、そこに答えはありません。
中盤、主人公がビルの隙間で膝を抱えて震えながら「何かいいことないかなあ」とつぶやくシーンが一番心に残りました。