この映画の良い部分は沢山ありますが、なんといっても、劇中に流れる空気感が素晴らしいです。昭和末期の味わいと、現代の洗練された部分が合わさっているような印象です。
映画では、作家の朔太郎と妻の節子の、つつましくも幸せな日常が綴られて行きます。しかし、妻が病に倒れ、それが重いものだと知らされた時、朔太郎は…。
テーマがずっしり響く内容ですが、主演の草なぎ剛さん、竹内結子さんの熱演はもとより、脇を固める風吹じゅんさん、谷原章介さん達の熟達した演技と想像上のコミカルなSFシーンがあるおかげで、最後まで目を背けずに観る事が出来ました(特に、郵便配達員役で出演されている小日向文世さんがいい雰囲気を出されています)。
元となる実話では大阪が舞台ですが、劇中では地域を特定するような描写は観られません。ただし、御堂筋を彷彿とさせる大通りや動物園など、大阪の面影らしき部分を垣間みる事も出来ます。(パンフレットによると実際の撮影は関東、主に横浜エリアということですが…)
私個人としては、久々に映画館で観た邦画です。劇中医師のモデルになった先生に診てもらっていることがきっかけとなったのですが、本当に観て良かったと思える素晴らしい作品です。映画館では50代、60代の女性が多く、逆に若い男女が少なかったのが印象的でした。
最後は涙無くしては観られないのですが、是非とも色々な世代、特に若い世代の方に観て頂きたいです。